<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>

<rss version="2.0" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/">
<channel>
<title>やさしい漢方のお話</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/index.php?topic=kanpo</link>
<description>産婦人科中村病院のやさしい漢方のお話です</description>
<managingEditor>info@kouwakai-nakamura.jp</managingEditor>
<webMaster>info@kouwakai-nakamura.jp</webMaster>
<copyright>Copyright 2012 北見産婦人科の中村病院</copyright>
<generator>GeekLog</generator>
<pubDate>2012-02-03T14:37:18+09:00</pubDate>
<language>ja</language>
<item>
<title>過敏性腸症候群？と執拗な訴え</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo89</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo89</guid>
<pubDate>2012-02-03T14:31:56+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『73歳Ｎさん。過敏性腸症候群にて他院通院歴あり。便秘の薬をいろいろ試したが思わしくないようで、最近は便は非常に硬く、西洋薬の下剤を使ってひどい下痢になったとの事。漢方薬を希望して来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　高齢者で便が硬いとの事で、『麻子仁丸（マシニンガン）』を２週間処方しました。１ヶ月後に来院し、「薬を飲んでいた時は良かったが、切れるとまた便が出なくなる。」&lt;/p&gt;&lt;p&gt;きちんと飲み続けてくれればいいのに（苦笑）と思いながら、同じく１ヶ月処方しました。今度は「最初は良かったが、便が出た後に全身の力が抜けてしまう。しかも、げっぷがやたらと出るようになったので、別の薬に変えてほしい。」との事。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;たしかにお腹にガスが溜まっているようなので、『大建中湯（ダイケンチュウトウ）』に変えてみました。しばらく、２ヶ月位は調子が良かったようですが、また排便後の脱力感を訴え、「ガスもとても多くなってきたので薬を変えてほしい。」と来院。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;その後もいろいろと併用する薬を変えましたが、最初の１～２ヶ月は良いのですが、その後悪くなることを繰り返しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;初診から１年ほど過ぎたころ、『大建中湯』に『加味逍遥散（カミショウヨウサン）』を加えてみたところ、「これまでで最も調子がよい。」との事。その後４ヶ月以上経過していますが、薬を変えてほしいという訴えはなくなりました。 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;薬を変えるとしばらく良いのですが、１～２ヶ月経つと、前よりずっと悪くなると言われ、振り回された感がありました。しかし、このような執拗な訴えも東洋医学的には『加味逍遥散』が有効なことが多いのに、なかなかそちらに思いがいかなかったのは、私がまだまだ漢方医として未熟なせいでしょう。気がつくと１年半、Ｎさんの方も、私に見切りをつけずによく長い間来られたものと感服いたしました。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>高齢者の夜間の冷えに伴う不眠</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo88</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo88</guid>
<pubDate>2012-01-04T16:30:11+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『85歳Ｍさん。普段から身体や足に冷えを感じており、寝つきは良いのですが、夜間に何回も眼が覚めるようです。そして、眼が覚めるとトイレに行く際に身体が冷え切ってしまい、もう眠れなくなってしまうので、何か良い治療法はないかというご相談で来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　Ｍさんの症例は、夜間の中途覚醒時に習慣的にトイレへ行き、そのたびに冷えによって入眠が妨げられたもの、というように解釈できましたので、まず寝るときに枕元にお湯と『麻黄附子最細辛湯（マオウブシサイシントウ）』を用意してもらい、夜間に眼が覚めたらこれを飲んでもらうように指示しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;これを繰り返してもらったところ、身体がすぐに温まるようになり、トイレへ行って戻ってきてもすぐに眠れるようになったとの事でした。 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;　『麻黄附子最細辛湯』は高齢者には使いやすく、かつ即効性のある漢方薬です。我々は排尿した後に、あたかも寒さにあたったかのように身震いすることを度々経験しますが、高齢者ではトイレに行った後に気分が悪くなって倒れてしまう、いわゆる排尿後の迷走神経反射による失神にも似たようなことが起こっている可能性もあります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;つまり、気分が悪くなったためになかなか寝つけなかったとすると、『麻黄附子最細辛湯』を事前に飲んでもらってからトイレに行くことで、それを予防できたと考えられます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　不眠に対しては、「頭寒足熱」つまり頭が冷えて足が温まるとよく眠れるように昔から云われており、一般的には、頭が熱くなって足が冷たくなると眠れないタイプが多いようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;このような場合は、寝る前に『酸棗仁湯（サンソウニントウ）』など飲んでもらいますが、高齢者になると、Ｍさんのように逆に温めて眠れるようになる症例も少なからずいらっしゃいます。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>終末医療と漢方薬</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo87</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo87</guid>
<pubDate>2011-12-02T16:54:28+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『87歳Ｎさん。高齢で寝たきりに近い状況で、風邪をひいて治りが悪いため、往診で点滴を受けているが、日に日に体力が落ちてきて食事も喉を通らなくなった。漢方薬も工夫して投与してもらっているが、はかばかしくない様子。本人は言葉を発するのも大儀なのか、ただただボーッとしている。もうダメかと思うけれど何か手だてはないものかと相談されました。』 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;知り合いの娘さんからのお電話による相談でしたが、漢方医学の立場では、「裏寒（リカン）」（身体の内部が冷えている）という状態に陥ったために風邪の治りが悪いばかりか生命力が衰えているために認知症のような状況になっているのではないかと想像されました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;既に投与されている漢方薬には「裏」を温める生薬は含まれていないようでしたので、以前娘さんが当院に受診していた頃に処方した『人参湯（ニンジントウ）』と『附子末（ブシマツ）』を合わせて飲んでもらい、身体を温めるようにお話しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;後日、喜びの連絡がありました。『人参湯』と『附子末』を飲んでからは、元気を取り戻したとの事でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『人参湯』は消化器だけでなく心肺も全身も同時に温め、生命力を高め、冷えに起因する鼻水・咳・喘息にも効果のある漢方薬です。他の部位と比較して胸を触ると冷たいときは特に有効です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;最近の乳幼児はよく診ると隠れた「裏寒」に陥っていることが意外に多く、乳幼児の諸疾患にも用いる医師もいます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｎさんの症例のような著しい体調不良に対して現代医学の立場では経過観察しか手がないときでも、漢方薬に温裏薬（内部を温める薬）があることを知っていれば、患者さんのお役に立つことがあります。漢方薬を扱っている者にとっては何とも嬉しい限りですね。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>冷え性と漢方薬②</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo86</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo86</guid>
<pubDate>2011-11-07T17:44:18+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『23歳Ｍさん。子供の頃から寒がりで、特に手足が冷たく、腰回りの冷えも自覚する。熱い風呂を好むが長湯するとのぼせやすい。冷たいものをよく摂る。最近はめまいや立ちくらみもよく起こるようになったため、漢方薬による体質改善？を希望して当院に来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｍさんの冷えは手足や腰周りなどの局所が中心であること、冷たいものをよく摂取していること、便秘や肌荒れと比較的強い月経痛を認めることに加えて、舌が暗赤色で下腹部に圧痛を認めることなどから、「お血（オケツ…詳細は以前の号参照）」による冷えと捉えて、『桂枝茯苓丸加薏苡仁（ケイシブクリョウガンカヨクイニン）』を処方しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;１週間後、「手足はあまり冷えなくなった。立ちくらみは変わらない。」３週間後も「めまい、便秘、月経痛はまだ変わらない。」という時点で、めまい・立ちくらみを目標にして、『苓桂朮甘湯（リョウケイジュツカントウ）』を併用してみました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;１ヶ月たって、「めまいも少なく、便通も良い。今回はいつもよりも月経痛が軽かった気がする。」との事。 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;　さらに２ヶ月飲んでもらい、暖かくなった季節の影響もあるのでしょうが、手足の冷えは消失しました。めまいも一月に数回あったものが、１回あるかないか程度にまで改善していました。その後３ヶ月分追加処方しましたが、その後は受診しておりません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　冷えの改善を目的に漢方薬を希望される方は多く来院されますが、大部分は温める生薬が含まれた薬を用いることが多いです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;しかし、Ｍさんのように冷えの原因が末梢の血流障害、いわゆる「お血」の場合にはそれを改善する『桂枝茯苓丸』などが適応になるわけです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;実際の臨床では、なかなか判別が困難な症例もありますが、問診で「長湯するとのぼせる」「冷え性なのに冷たいものを採る」という些細な矛盾点に注意したり、実際にどれくらい冷えているのか手で触って確認することも大切です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　意外と冷えを訴えている割には、手足はさほど冷たくない方もいらっしゃいます。このような方に温める漢方薬を処方すると逆効果になってしまうことがあり、私自身も幾度か苦い経験をしております。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>雨降り前の頭痛と膝の痛み</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo85</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo85</guid>
<pubDate>2011-10-12T10:41:17+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『77歳Sさん。歩行時に左膝の痛みを自覚するようになり、徐々に痛みが悪化してきたため、整形外科を受診し、膝関節症の診断を受けた。友人に漢方薬が良いのでは？と勧められて当院に来院。』 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;当院は整形外科ではないので専門外来を継続して受診することをお勧めしましたが、何か漢方薬を試したいとの強い要望で診せていただきました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;左膝の内側部を中心に痛み・腫れ・熱感を認め、風呂などで温めると痛みが軽くなるようでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;暑がりの寒がりで、冬場は腰から下の冷えを自覚するとの事。お腹はガマガエルの様（失礼！）で、皮膚はしっとりと湿っていて、口の渇きも訴えていました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;舌を拝見すると歯型の痕がしっかりありましたので、「水毒（水分のバランス異常）」と解釈して『防己黄耆湯（ボウイオウギトウ）』を飲んでもらいました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　２週間後、「痛みがとれた。動かしたときに痛みは少しあるが、気にならない。」左膝に触れてみると、張れがたしかにひいていましたが、熱感はまだありました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;しかしながら、自覚症状が良くなっているので、続けて飲んでもらうことにして１ヶ月後、「かなり歩けるけど、明け方冷えると膝が痛む。」というので、『附子（ブシ）』（温める・痛みをとる）を追加して飲んでもらいました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;１ヵ月後、「朝方足がポカポカして、膝の痛みも無くなった。ただ、最近すこし動悸がする。」この動悸は『附子』の軽い副作用なので高齢の方には注意しなければいけません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『附子』は一度中止し、『防己黄耆湯』はそのまま飲んでもらっていますが、２年経過した現在、「雨降り前の頭痛が最近無くなった。」との事でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　「雨降り前の頭痛」は以前に低気圧が近づくと頭痛がする症例でもお話ししましたが、『五苓散（ゴレイサン）』という「水毒」の漢方薬がよく使われますが、Ｓさんも「水毒」に起因した膝の痛みでしたので、同時に「雨降り前の頭痛」も改善したのだと思われます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;こういう効き方は漢方薬ならではのもので、いつも生薬の妙に感心させられますね。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>めまいに対する漢方薬①</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo84</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo84</guid>
<pubDate>2011-09-05T12:15:59+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『74歳Sさん。二年前に回転性めまい、耳鳴りが起きたが自然によくなった。一ヶ月前から再び同じ症状が起こり、内科や耳鼻科を受診するが改善を認めず、漢方治療を試してみたいとの事で来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Sさんのめまいは頭の位置によって起こりやすく、ほぼ毎日２、３回出現するようでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　歩くときにふらつくこともある。どちらかというと暑がりのようですが、最近は足が冷えるとの事。息子達からは「いいかげん歳なんだから、仕方ないんじゃないの」と云われて憤慨していました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　めまいやふらつきは、「水毒（水のバランスの乱れ）」と考えて東洋医学では利水剤を用いることが多く、Sさんには、たちくらみに有効な『苓桂朮甘湯（リョウケイジュツカントウ）』を１週間処方しましたが、めまいに変化はなく、歩行時のふらつきやフワフワ感を強く訴えたため、『真武湯（シンブトウ）』に変更してみました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『真武湯』は高齢の方が「雲の上を歩いているような感じ」を訴えるときによく用いられますが、２週間後少しは良いときもあるものの、あまり改善はないようでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　めまいに有効と思われる利水剤が効果を認めなかったことから、もう一度症状を再度問い直してみました。「ときどき下腹痛もあり、いらいらもする」との事で、舌は赤暗色で、舌の裏の血管が浮き出ていました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;これは典型的な「お血」（オケツ）（血の循環の異常）で、この年齢には少ないケースです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで、いらいら感も考慮して『加味逍遥散（カミショウヨウサン）』に変更してみました。一ヶ月後には「今の薬を飲み始めてから２週間位で、めまいはよくなってきた。たちくらみやふらつきも、最初と比べると２割程度まで軽くなった。」との事。有効と判断し、現在も同じ処方で経過は良いようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　Sさんには、いらいらなどの自律神経症状と「お血」を指標に『加味逍遥散』を投与してめまいの改善をみましたが、古典には、頭がぼんやりして目がくらむような症状いわゆるめまいにも応用可能であることが記されています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;　『加味逍遥散』は更年期障害の不定愁訴にもよく用いられるので、すこしそのお話をしたところ、何を勘違いしたのか、Sさんは息子達に「私は、まだ更年期の薬で良くなるんだから、若いって証拠だよね」と言ったようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;たしかに74歳で更年期障害（決してそうではナイ！）と思われるのは、身体的には若いという捉え方はするでしょうが…。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>高齢女性の尿失禁を伴う頻尿に対する漢方薬</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo83</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo83</guid>
<pubDate>2011-08-05T10:48:14+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;体力の低下した高齢者における頻尿は、泌尿器の疾患に関係するものが多いですが、東洋医学的にはいろいろな要素が複雑に絡み合っておこる病態の一つです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;最近の報告では、「過活動膀胱」という膀胱に尿を溜める機能障害のため、尿が溜まるときに膀胱が勝手に収縮してしまい、「尿がしたい感じが多い・何度もおしっこをする・トイレに着くまで我慢できずに尿失禁してしまう」という症状に対して『牛車腎気丸（ゴシャジンキガン）』が有効である報告がされており、西洋医学的治療のみでは困難な症例にも期待されています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『牛車腎気丸』は特に高齢者の泌尿器・生殖器の機能低下に伴う排尿障害、腰や下肢のしびれ・脱力感・痛みに用いることが多いのですが、個人的には、この漢方薬に加えて『補中益気湯（ホチュウエッキトウ）』を併用することがよくあります。 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;　『補中益気湯』には「補気（気を補う）」「ものを挙げる」作用もあり、高齢女性で子宮下垂に伴う膀胱下垂による尿失禁に対して『牛車腎気丸』との併用は大変有効です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この２種類の漢方薬を用いた方全般にいえることは、「生活の質の改善」です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;このような症状のある方は「生活の質の低下」が著明に認められるのですが、これは加齢による元気不足に加え、症状の不快感やとりわけ尿失禁に関しては他人に相談できないストレスにも起因すると思われます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;つまり、「気うつ」「気虚」（詳細は既刊号）の「気」の異常が大いに関与しているものと推測されます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;高齢女性の難治性の頻尿には尿失禁を伴っていることが多々あり、現代の西洋医学的治療のみでは困難な局面も稀ではありませんし、今後は高齢化社会においてさらに増加するでしょう。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;漢方薬は生薬の複合剤ですから、一つの症状の改善のみならず、他に「気剤」として作用し、生活力を向上させる意味でもユニークでかつ有用な治療手段と思われます。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>花粉症と漢方</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo82</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo82</guid>
<pubDate>2011-07-04T14:15:43+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『30歳Ａさん。５年前から花粉症となる。水様透明鼻汁が起床時から午前中によく出現し、入浴すると軽快する。寒い日には出現しやすく、咽頭痛や鼻閉はほとんどない。カゼはひきやすく、手足は冷えやすい。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『36歳Ｂさん。１年前から花粉症。５月初旬より透明鼻汁が出現し、ときに黄色鼻汁となる。鼻汁時には顔面のほてりを伴う。夜間には鼻閉、くしゃみ、咽頭痛が出現。暑がり体質で、カゼもひきやすい。』 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;ＡさんとＢさんはともに花粉症ですが、東洋医学的には別な身体の状態（証）です。「寒熱」という考え方で捉えると、Ａさんは「寒証」で、Ｂさんは「熱証」タイプです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ａさんには『小青竜湯（ショウセイリュウトウ）』を処方しましたが、１週間で鼻汁が止まりました。Ａさんは、胃腸症状がなく、『小青竜湯』を飲むことができましたが、「麻黄（マオウ）」という生薬で胃腸障害を起こす人には『苓甘姜味辛夏仁湯（リョウカンキョウミシンゲニントウ）』に変更すると有効なことがあります。ちなみに「青竜」とは季節の神（四神）の一つで、春の神と同時に水の神でもあります。『小青竜湯』は肺に停滞した冷水を春の温かさで除く効能から命名されたものです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｂさんは、暑がりという「熱証」でありながら、汗かきでカゼをひきやすい状態の方です。透明鼻汁は「寒証」の症状なのですが、他の症状は「熱証」なので、『清上防風湯（セイジョウボウフウトウ）』を投与して効果を得ることができました。黄色鼻汁が多く、鼻閉が強ければ、『辛夷清肺湯（シンイセイハイトウ）』も良いかもしれません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;古典にも「鼻きゅう（ビキュウ）」という言葉が残されており、外邪によって透明鼻汁・鼻閉・鼻腔掻痒感・くしゃみなどが突然にかつ反復性に出現する病態と記されています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;現代でいうアレルギー性鼻炎・花粉症などの季節性アレルギー疾患に相当するものが昔から存在していたのです。古人も悩ませた疾患と受け止めると、少しばかり親近感が沸きますね。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>小児アトピーと漢方薬</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo81</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo81</guid>
<pubDate>2011-06-06T11:18:59+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『４歳Ｍちゃん。母親がアトピー性皮膚炎。カゼをひきやすく、中耳炎と扁桃炎も起こしやすい。&lt;br /&gt;湿疹は１歳ごろから出始めて、便秘が続いたり、汗をかくと悪化する。弟の出産前後から「赤ちゃん返り」がひどくなり、皮膚症状もますます悪化し、最近は体をかきむしって、肘関節のあたりは一部ただれて、分泌液も出ている。母親が「ステロイド外用薬は使わないで」と、漢方治療を希望して来院。』 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;母親の漢方熱望？に応じて、ステロイドは使わず、『黄耆建中湯（オウギケンチュウトウ）』を飲んでもらうことにしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;二週間目あたりから背中・腹部の湿疹は改善し、四週目からは手足・顔面の発赤も消えてきました。そのまま継続して飲んでもらいましたが、二ヶ月ぐらいから便秘も解消し、中耳炎の再発などもみられなくなりました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『黄耆建中湯』の効能・効果は「虚弱体質、病後の衰弱、ねあせ」とありますが、ここで注目したいのは「汗」です。「アトピー性皮膚炎持続例の悪化因子」について調べた報告の中で「汗の成分が皮膚のバリアが脆弱な人には痒みの刺激になると考えられる」と記されています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;虚弱な体質の小児には『小建中湯（ショウケンチュウトウ）』がよく使われることは何度も紹介しましたが、私の使用経験では『黄耆建中湯』を使うと、特に痒みが取れてくるのが大きなポイントである印象があります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｍちゃんの母親のように「アトピー性皮膚炎に最も効く漢方薬は何でしょうか？どのくらい飲むと完治するのでしょうか？」というご質問は多いのですが、回答は「これがアトピー性皮膚炎に最も効くと知られている漢方薬はありません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;人それぞれに合う、合わないということもありますし、漢方薬のみに頼って悪化した人も少なくありません。あくまでも漢方薬は治療の選択肢の一つであり、絶対的なものではありません。ステロイド外用薬も毛嫌いせずにうまく使っていくことが大切です。」とお話しています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｍちゃんのように小児アトピー性皮膚炎も漢方的視点で捉え、それに適応する症例を選べば、『黄耆建中湯』などは治療に有効な選択肢の一つとして位置づけられるのではないかと思います。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>食事が十分に摂れない女児</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo80</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo80</guid>
<pubDate>2011-05-02T15:32:20+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『10歳Ｓちゃん。数ヶ月前から食事がのどにつかえ、飲み込みにくいという症状が出現。そのため、食事量が減り体重も減少し、小児科、耳鼻科などを受診しましたが、明らかな異常は認めないということで、当院にお母さんと一緒に来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｓちゃんの顔色はやや不良で行儀は良いのですが、少し神経質な印象でした。平日はきちんと登校できているのですが、週末になるとくたびれて家で休むことが続いているそうです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;いわゆる虚弱な体質の小児には『小建中湯（ショウケンチュウトウ）』がよく使われることは以前にもお話しました。Ｓちゃんにもこちらを飲んでもらいましたが、少しは良いようなのですが、今一歩という手ごたえでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;さらに『香蘇散（コウシサン）』を加えて、「気」をはらして元気になってもらおうとしました。こちらの反応も悪くはないようですが、劇的な効果という程ではありません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;とりあえず、数ヶ月飲んでもらいましたが、腹痛とともに飲み込みにくさが再び出現したところで、神経質な点に注目して『抑肝散加陳皮半夏（ヨクカンサンカチンピハンゲ）』に変更したところ、飲み込みにくさは改善し、体重も増加するようになりました。&lt;/p&gt; &lt;p&gt;　『抑肝散（ヨクカンサン）』は、神経症・不眠症・夜泣きなどの小児に用いられることが多いのですが、最近では高齢者の不穏・興奮などにも効果があることが実証されています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｓちゃんの場合は、神経質な面の他に、消化機能の衰えも考慮して、「陳皮」「半夏」を加えた『抑肝散加陳皮半夏』を処方してみました。また、『香蘇散』も紫蘇の香りがして気分が良くなるようで、本人も自ら好んで飲みたいとお母さんがおっしゃっていましたので、継続して飲んでもらうことにしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;お母さんが話した「ここ最近は、少し食べただけでお腹が張って食べれないことがないんですよ。」という一言の中に今回漢方薬が効いた重要なポイントが隠されていました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「気」の異常が起こるとお腹が張ったり、ガスが溜まった感じがしたりすることが多いのです。たまにお子さんのお腹を優しく触ってあげて日頃のお腹の状態を把握することはさりげないことですが、実は東洋医学的な診察にもなっているのです。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>快便感がなくて苦しい</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo79</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo79</guid>
<pubDate>2011-04-21T12:16:30+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『15歳Ｈさん。母親が娘の朝のトイレが長く、便秘を心配して学校の帰りに本人と一緒に来院。毎朝、母親にイライラがちにトイレ時間が長いことを指摘されて、本人もうんざりのご様子。漢方薬がいいのではないかという事での相談。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;学校のトイレが入りづらくて、我慢しているうちにひどい便秘になったという話は中・高校生によくありますが、Ｈさんの話を聞いてみると、そういう類の便秘とはちょっと違うようでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;硬い便が出にくいのではなく、朝トイレに行くとある程度の量の便は出て、そのあと便が出きらなくて、まだ出そうな感じが残るのだそうです。そのためにトイレで踏ん張っていると、少し細い便が出るのですが、まだ出そうな感じがして、いつまでも気になるようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;多量の便が一度に出て、お腹がすっきりするわけでもなく、残便感がする・快便感がないということなのですが、「そのまま学校へ行くと、たいてい午前中にまた出したくなって、トイレに行くんですけど、ちゃんと出ません。」と本人の弁（笑）。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そんなこんなでＨさんは、家を出る前に便を出しておこうと一生懸命なのです。その結果、トイレに長くたてこもることになり、母親に指摘されるという始末です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｈさんにベッドに横になってもらい、おへその上あたりを軽く叩くと、腹直筋がピンと張ってくるのがわかりました。これは東洋医学的には「芍薬（シャクヤク）」という生薬が有効というサインです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで、『桂枝加芍薬湯（ケイシカシャクヤクトウ）』を処方しましたが、とてもよく効いたようで、一日三回飲むとあまりゆるくない便が、朝どっさり出るとの事。いっぺんに出て「はい、終わり」なので、当然トイレに長くいる理由がなくなってしまいました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;三ヶ月ほどは一日に三回飲んでいましたが、その後は朝夕だけになり、そのうち、朝二袋飲んで学校へ行くようになりました。こういう飲み方は薬が効く時には自分で工夫できるようになるものなのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｈさんは高校受験が終わると、あまり薬は要らなくなりました。受験がかなりのストレスだったのでしょうか。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;その後は、お腹が冷えて便秘になることで一度来院されましたが、お腹を温める『大建中湯（ダイケンチュウトウ）』を二袋をいっしょに飲んでもらうことで解決しました。その後は自分のお腹を自分で触って『桂枝加芍薬湯』を自分のペースで飲んでいるようです。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>不安と心配のなかで</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo78</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo78</guid>
<pubDate>2011-03-03T13:58:31+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;世の中には「心配性」といわれる人がいます。&lt;br /&gt;その反応が過剰だったり、ピントがずれていたりするのですが、当人は真面目に悩んでいます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;現代は情報過多で、過剰な情報の中から適切なものを取り出すのは難しいのですが、心配性の人は、適切なものを取り出さずに、不適切な情報をとんでもないところから取り出して不適切な方向で悩むようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;一方、医師に対する患者の要望は「よく説明してほしい」に尽きるようです。「よく説明する」とは「患者が持っている疑問に対して、患者が理解できるまで説明する」ことなのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;確かにこれができてこそプロなのでしょうが、恥ずかしながら私はこの域には達しておりません。手を変え、品を変え、どうしたら理解してもらえるか日常診療で模索している中、「はじめて自分の病気がわかりました」なんてうれしい事を言ってくれる人もいらっしゃって、報われた思いがすることもあります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;ところが、しばらくするとまた同じ説明が必要になる人が少なからずいることに最近気がつきました。必ず振り出しにもどるのです。「それはわかりました。でも大丈夫なんでしょうか。万一のことを考えると心配でどうしようもありません」この論理を突破するのは難しいです。未熟な私は以前そういう人に会うとがっくりし、イライラしたものでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;妙に心配と悩みばかり繰り返す患者に、『加味帰脾湯（カミキヒトウ）』を使うようになってある程度悩みは解消しました。この薬の効き方は、論理は変わらないのですが、悩む量が減ってくるようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;こうなってくれると、医師も患者もお互いに楽な付き合い方に変わります。「こうだから、こうなる。だから大丈夫。」なんて通用しません。不安だから不安なのです。独特の不安感で、勝手といえば勝手なのですが、刺激を与えると不安はどんどん膨らみます。自分の意思では小さくならないし、精神安定剤も効かないこともあります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「患者と医者の間柄にも相性がある」といわれますが、『加味帰脾湯』の効く人たちをみていると、現代の日本で、弱いものいじめを真面目にとりあわないから、結果としていじめてしまっている風潮と、何か重なっている感じがします。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>長引くカゼの漢方薬①</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo77</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo77</guid>
<pubDate>2011-02-08T12:05:30+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;前回に引き続き、カゼに関する漢方薬のお話です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;カゼの際の咳に対する漢方薬は、乾いた咳・湿った咳などの症状によって異なるのですが、私の場合は朝・夕に『麦門冬湯（バクモンドウトウ）』を、寝る前に『竹茹温胆湯（チクジョウウンタントウ）』を処方する場合が比較的多いです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;一つの理由には、自分が好きでよく分かった生薬から成り立つ薬を優先することからだと思いますが、『麦門冬湯』は「気剤」としても有効なので、よくカゼで頭がボーッとする場合にも有効だからです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;以前に、カゼの流行もおさまり気候の良くなった時期にやってきた患者さんが「眠れなくてつらいので、この前出してくれた眠れる漢方薬がほしいんですけど。」と言ってきました。「○○さんに、眠れる漢方薬は出したことがないはずだけど…」「先生が、カゼを引いたときに、寝る前にといって出してくれたアレですよ。」&lt;/p&gt;&lt;p&gt;なるほど、そうだったのかと気がつきました。『竹茹温胆湯』のことでした。咳き込んで数日間眠れない状態が続いたあとに受診してもらった漢方薬を飲んだら、ぐっすり眠れたので、眠れる漢方薬だと思い込んでいたようです。&lt;/p&gt; &lt;p&gt;寝床につくと咳き込んで寝れずに、仕方なく起きている。また、眠気がきたので寝床に入ると、しばらくして身体が温まってきた途端にまた咳き込みが強くなって眠るどころじゃない。そんなときに効果を発揮してくれるのが『竹茹温胆湯』なのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『麦門冬湯』は咳が出始めるともう止まらないような空咳に有効です。咳き込みの程度が強く、肋骨に響くような咳には『柴陥湯（サイカントウ）』、喘息様でヒューヒューする咳には『麻杏甘石湯（マキョウカンセキトウ）』、胸が詰まったような息苦しさが続く咳には『半夏厚朴湯（ハンゲコウボクトウ）』『柴朴湯（サイボクトウ）』がお勧めです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;このように漢方薬には、「咳」という一つの症状に対しても豊富なラインナップが用意されています。これはいつも言うように生薬の複合剤である漢方薬の為せる技なのです。&lt;br /&gt;単なる「咳き止め薬」ではないことをご承知下さい。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>カゼのひき始めの漢方薬</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo76</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo76</guid>
<pubDate>2011-01-10T17:12:09+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;今回は、寒さも本格的になっている時期ですので、カゼに対する漢方医学的対応の方法に関して、以前にもお話した『麻黄湯（マオウトウ）』『桂枝湯（ケイシトウ）』について改めてこのお薬の違いと使い分けを説明したいと思います。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;その前にカゼに対する漢方と西洋医学的な治療の違いとは何かを考えてみましょう。西洋医学がカゼに対して威力を発揮するのは主に解熱鎮痛作用によるものです。しかし、あまり急に熱を下げることによる弊害があるのも事実です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;カゼのひき始めによく悪寒（身体がゾクゾクする）を経験しますが、そのとき発熱していても汗をかいていない状態がありますね。こういう時は漢方医学的には「汗をだして外に熱を出す」という手法があります。『麻黄湯』はその代表選手ですが、このとき解熱薬を同時に飲んだり、冷たいものを食べたりすることは、逆効果です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「よく汗をかいてカゼが治った」という例がありますが、まさしくこれは理にかなったことで身体自体が発熱を欲している状態なのです。ですから、『麻黄湯』を飲むときは、熱い湯を直後に飲むとさらに有効です。意外に即効性があって、飲んで30分もしないうちに身体がポカポカしてきます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;しかしながら、『麻黄湯』が効くようなカゼの状態はすぐに変わってしまいます。例えば、汗が出るようになったら、実はこれらのお薬の出番はないのです。また、極端に胃が弱い方も不向きです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;漢方薬に副作用が無いなんてウソです。「麻黄」という生薬は胃を荒らしたり、血圧を上げたりします。また、虚弱な方は、発汗し過ぎて軽い脱水症状を起こすこともあります。では、こういう方にはこれら以外のお薬は無いのでしょうか。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;ここが漢方薬のスゴイ点で、ちゃんと「麻黄」をぬいたお薬も用意しています。それが『桂枝湯』です。このお薬は同じカゼのひき始めでも、体力の無い方やすでに発汗している方向けです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;でも、汗をかいてるかどうか微妙？という方はどうしますか？&lt;br /&gt;これは屁理屈ではないのですが、『桂麻各半湯（ケイマカクハントウ）』といって、『桂枝湯』と『麻黄湯』を半分ずつ飲む方法があるのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;これは実に効果的で、私自身も外来の合間にこっそり飲んでいます。ちなみにドラッグストアでもみかける『葛根湯（カッコントウ）』は『麻黄湯』の仲間ですが、「葛根」が首すじの凝りをとるのに有効なので、カゼのひき始めに「首のはり」を同時に訴える方向けです。また、生薬は多く含まれている分、『麻黄湯』よりも少し発汗作用はマイルドです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;このようにカゼのひき始めといっても、その人の体力、症状に応じてお薬が違ってくるのが漢方です。たびたびカゼをひかれる方は一度漢方薬を試されてはいかがでしょうか？ &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>耐えるのは美徳？</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo75</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo75</guid>
<pubDate>2010-12-06T13:50:55+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『38歳Ｎさん。&lt;br /&gt;診察室に入るや、ほとんど表情を変えずに、きちんと座って私をまっすぐ見据えていました。&lt;br /&gt;とそのうち、みるみるＮさんの目に涙が大きくふくらみ、アイラインとマスカラで強調した目から、大粒の涙が頬をつたって流れました。よく見ると、軽く唇を開いて、声を出さないで歯をくいしばって泣いているのです。&lt;br /&gt;このままではどうしていいか見当がつかないので、気を取り直してわが本来の医者の姿に戻り、いくつかの質問をしてみましたが、最低限しかしゃべりません。完全に事情が分かったわけではありませんが、とても大変な状況にあるのは確かなようでした。』 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;患者さんが目の前でポロポロと涙を流して泣いたときは、まずは『甘麦大棗湯（カンバクタイソウトウ）』を処方することにしています。&lt;br /&gt;たいていの人は泣く行為自体をかなりこらえているでしょうし、Ｎさんのように声を出さずに歯をくいしばって耐えているには相当にキツイはずです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「かわいそうに」と同情する位しかないのですが、そこは漢方薬の出番で、『抑肝散加陳皮半夏（ヨクカンサンカチンピハンゲ）』も一緒に飲んでもらうことにしました。&lt;br /&gt;『抑肝散加陳皮半夏』はいろいろな患者さんに飲んでもらいましたが、一人でじっと殻に閉じこもって、自分一人で大変な状況に立ち向かっているような人たちに効くようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｎさんは、夫の暴力と子供のことで悩んでいたようでした。&lt;br /&gt;日本人は「耐えるのが美徳」という考え方が根強くあります。一人で全部背負って解決するまで耐え忍ぶようなタイプの方に『抑肝散加陳皮半夏』を飲んでもらうと、少しずつ気が楽になって口に出して助けを呼びやすくなるような気持ちにさせる不思議な薬です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;こういうことは、多分そういう状況なのだろうと推測して飲んでもらうしかないのですが、実際に効くときには、はたから見ていてもわかりますから「なんと不思議でありがたい薬なのだろう」と新鮮に驚いてしまいます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;すっかり同情してしまって、Ｎさんに『甘麦大棗湯』と『抑肝散加陳皮半夏』を二週間分処方しました。どうしたらよいかは答えてあげられませんでしたが、話くらいは短い診療時間でも聞いてあげられると思ったからです。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>慢性疲労？（その２）</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo74</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo74</guid>
<pubDate>2010-11-05T14:01:19+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『65歳Ｍさん。夫の糖尿病の看護に心身共に疲れきっている様子。&lt;br /&gt;夫はわがままで、食事療法をやってみても、なかなか言うことをきかない。こんなに私が夫のために努力しているのに、何かむなしい日々が続くとの事。&lt;br /&gt;「こころ」はあせり「身体」は疲れる。約三ヶ月前から、生あくびがしょっちゅう出るようになり、身体が重く、イライラして気分が落ち着かない。不眠もあり、よく夢もみるようになった。食後は胃のもたれ感がある。夫と一緒に来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｍさんは夫の陰に隠れるようにして来院されました。小柄でやせたＭさんに比べ、糖尿病の夫は大柄で肥満体型の方でした。２回目の来院のとき、私はふと気がつきました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;隠れているように感じられたのは、夫の体格のためではなく、Ｍさん自身に何か精気が感じられないためであると。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「Ｍさん、何かお疲れのようですね。」ときり出すと、&lt;br /&gt;すかさず夫が「そうなんですよ。こいつはいつもだるいだるいって元気ないんです。気合いが入ってないんでしょうね。」と答えます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで夫には席をはずしてもらい、次回の診察はＭさん一人で来ていただいてからお話を聞くことにしました。その時にようやく、先に書いた内容を弱々しい声でぽつりぽつりと語ってくれたのです。&lt;/p&gt; &lt;p&gt;Ｍさんには『甘麦大棗湯（カンバクタイソウトウ）』を飲んでもらうことにしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;２週間で諸症状の改善傾向がみられ、一ヶ月後には精神的にも落ち着くようになったとの事でした。この方は看護からくる疲れが原因で、そのために諸症状が出現したといえます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『甘麦大棗湯』は漢方医学的には、「こころ」を潤し安定させ、胃腸の働きを調える作用があり、甘くて飲みやすく、子供のひきつけ・夜泣きにも用いられます。生薬成分はほとんど食品みたいなものなのですが、なぜかよく効く症例が多い不思議なお薬です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;さて、２ヶ月位経過した頃でしょうか。診察室での奥さんと夫の位置が入れ替わっていることに気づきました。夫の前にＭさんがいるのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「先生、この人、いつも腹一杯食べちゃうんです。治療する気があるんでしょうか？先生からビシッと言ってやって下さい。」&lt;br /&gt;実にたくましいのは女性のパワーです。世の中は女性を中心に回っていることに気づかないのは男性ばかりなのです（笑）。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>朝起きられない中学生</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo73</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo73</guid>
<pubDate>2010-10-06T11:16:58+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『14歳Ｋさん。学校へ行く気はあるのだが、朝が特に調子が悪くて起きられない。&lt;br /&gt;ここ数ヶ月は特に調子が悪く、半分位しか登校していない。小児科で検査を受けたが、大きな異常はなく「起立性調節障害」といわれた。&lt;br /&gt;薬を処方されたがいっこうに良くなるきざしがないのでやめてしまったとの事。一日中頭痛がするし、学校を休んでもフニャッとして動けないので、ただ寝ている。ときどきお腹が痛くなり、下痢が続くこともある。母親と一緒に来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｋさんは身長１６０センチで体重は40キロとふくよかとは程遠い体型でした。&lt;br /&gt;こういう症状が続くと、よく「登校拒否」と間違われ、あちこち病院を渡り歩いて検査を繰り返す例が多いですし、「登校拒否」と言われ続けていると、本人自身もそうであるような気分になってしまうこともあります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;普通に治療していても、効果があがらない場合は、ある意味で「小児科泣かせ」かもしれません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;来院した時は、青白い顔をして弱々しい印象で、お腹も触るとフニャーと柔らかく、脈も弱いといった漢方でいう「虚証」タイプそのものでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで、体力を補う「補剤」が必要と思われたので、Ｋさんのような「胃腸の働きが衰え、元気がなく、疲れやすい」向けの『補中益気湯（ホチュウエッキトウ）』を飲んでもらいました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;１週間飲んで「なんとなく動けるような気になったので学校へ行ってみたけど、やっぱり疲れて長続きはしませんでした。&lt;br /&gt;でも、少しいいような気がします。」その後、身体の調子がよくなってきたようなので、『補中益気湯』をしばらく続けることにしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;４週間後、めだって食欲がでてきて、それまで「食べ盛り」というのを見たことのなかったお母さんが、心配するほど食べるようになったとの事。まだ顔色は青白いけれど、表情が生き生きとして、診察室でもニコニコ笑うようになりました。たいした変化です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;二ヶ月たってかなり調子がよくなった頃、「生理がちゃんとこないんです。二日くらいで終わっちゃうし。」と自ら生理のことを聞いてくるようになりました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで、『補中益気湯』に加えて、『当帰芍薬散（トウキシャクヤクサン）』を飲んでもらいました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;思春期の女の子が、生理のことを自分からいいだすのはよほどのことでしょう。逆にそれだけこちらを信頼してくれた証拠かもしれませんが、産婦人科医たる者が生理のことを初めに聞かなかったのは反省せねばなりません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この二つの薬で体調はさらによくなり、体重は増えていき、育ちざかりとは恐ろしいかな、一ヶ月に一キロ位ずつ増えたようです。&lt;br /&gt;しばらくぶりに再会したのは、生理をずらしたい希望で来院された時でしたが、一年くらい経過していて体重はほぼ十キロ増え、堂々たる？女の子に変身していました。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>肩こりに葛根湯が効かない</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo72</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo72</guid>
<pubDate>2010-09-02T14:26:04+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『53歳Iさん。従姉にあたる女性ですが、うなじあたりが凝るので漢方薬でいいのはないかとの相談でした。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;何種類か漢方薬を手持ちにある人なので、とりあえず『葛根湯（カッコントウ）』を飲んでもらいましたが、全く効かないようでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「漢方薬も当たりはずれがあるのかしら？」&lt;/p&gt;&lt;p&gt;と失礼なことをいうので、漢方薬の真価を知ってもらうためにも、一度じっくり話を聞いてみることにしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;普段からみぞおちのあたりが重苦しく、つかえる感じがするので、内視鏡検査をしてみたが、異常なしと言うので食生活を聞いてみると、「主人は夜遅く帰宅するので、それまで食事をしないで、一緒に食事をとる習慣が続いている。」といいます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで「ご主人にみぞおちを軽く押してもらってどんな感じがするか、肩の凝りの部分を指で押してもらってみて」と依頼しました。「みぞおちを押されると硬く張っていて、苦しい（心下痞硬という所見です）。肩こりはうなじのあたりよりもう少し下が張るんだよね。」との返事でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで、『半夏瀉心湯（ハンゲシャシントウ）』を飲んでもらうことにしました。この薬は実際には胃薬として使うことが多いのですが、食べすぎの人や、寝る前に飲食する人の胃症状の他に、「肩こり」にも応用することがあります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;これが実によく効いてくれて、「今度の肩こりの漢方薬はよく効くね（そうじゃないんですけど…）。最初からこれを出してくれればいいのに（かわいくないな…）」と電話をいただきました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「うなじの凝り」に「葛根」が有効なためにこれが配合された『葛根湯』がよく使われるのですが、実はこの「凝り」は筋肉疲労に有効なのであって、そうでない凝りにはあまり効かないことも多いです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『半夏瀉心湯』は後頭部の下、肩甲骨の中央より少し上の凝りに有効と言われています。また、肩甲骨の中央やその周辺の凝りには「柴胡（サイコ）剤」が有効で、更年期の肩こりにはこの種の漢方薬が使われていて、女性の肩こりの５～６割はこのタイプです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;肩こりと漢方薬の関連は奥が深いのですが、一度異性の方（同性ではなく）に凝りの箇所を押してもらって、ご自分の肩こりのポイントを把握するのもよいのでは…。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>不定愁訴に香蘇散</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo71</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo71</guid>
<pubDate>2010-08-09T17:00:03+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『57歳Ｈさん。とにかく多彩な症状（後述）があり、内科で安定剤を処方してもらっている。飲むと眠れるが、漢方薬を飲んでみてはと知人に勧められて来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｈさんの話によると、昨年から、娘の結婚のことでいろいろと心を痛め、寒気がしたり、気分が変になったとの事でした。&lt;br /&gt;毎日眠れなくなり、精神科で「抗うつ薬」を三ヶ月処方され、娘の結婚とともに調子が良くなるやいなや、夫が病気となり、心身ともに疲れたら、また具合が悪くなりました。&lt;br /&gt;特に胃が悪く、胸やけがして、胃腸の精密検査を受けたところ、特に異常なしでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;最近はカーッと体が熱くなり、汗が出る。しばらくするとスーッとひいて逆に寒くなる。精神的なことで気を遣うと肩がこって仕方がないようです。&lt;br /&gt;一週間前に、娘の誕生日で外食をした際、フランス料理で自分は嫌いなのですが、我慢して食べたらしく、それ以来、胃がむかついて苦しいといいます。 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;話を聞いていると、一部は更年期障害のような症状ですが、どうもＨさんは生来神経質で、生真面目な性格に感じました。胃腸虚弱な方のようでしたので、『香蘇散（コウソサン）』を手始めに内服してもらいました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;2週間後、飲んでいると気分が良いとの事でしたので、他の漢方薬は併用せずに二ヶ月飲んでもらいました。&lt;br /&gt;すると「自分でも気分が明るくなった感じがします。体全体？が調子いいんですよ。」との事。その後、半年近く飲んでいただきましたが、調子がいいというので薬を中止しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『香蘇散』は以前も紹介したことがありますが、「気」を発散させる作用があります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;元来は、『葛根湯（カッコントウ）』などはもちろん飲めないような胃腸の弱い方向けの感冒薬として用いられたのですが、Ｈさんのような「血の道症」「不定愁訴」などで普段から胃が弱い方には、とりあえず飲んでもらう価値は十分ある漢方薬です。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>くしゃみが止まらない</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo70</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo70</guid>
<pubDate>2010-07-02T14:12:43+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『59歳Ｓさん。花粉症で薬局にて『小青竜湯（ショウセイリュウトウ）』を購入して飲んでいるが効かないとの事。別な漢方薬？を希望して来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;水様性の鼻汁・くしゃみを主訴とし、目のかゆみなどを伴うときに『小青竜湯』を用いることはあります。もちろん、よく効いてくれる方もいらっしゃいますが、Ｓさんのように全くといってもいいくらいに効かない方もいるのも事実です。&lt;/p&gt; &lt;p&gt;Ｓさんは来院時に「貧血はないのに顔色がすぐれず、顔がむくむ。『小青竜湯』を飲むと、胃が荒れる？んだよね。」と言って、自分は昔から胃下垂だとおっしゃいます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;実はこの言葉は重要で『小青竜湯』には「麻黄（マオウ）」という生薬が含まれているので胃腸虚弱な方には避けた方がよいのです。&lt;br /&gt;そこで、Ｓさんには『小青竜湯』に似ていますが虚弱者向けの『苓甘姜味辛夏仁湯（リョウカンキョウミシンゲニントウ）』を飲んでもらうことにしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;２週間後、「飲んですぐにくしゃみが減ったみたい。続けて飲んでいるが、症状が軽くなって助かる。」との事でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「時々、くらっとするめまいがあって地震かなという事があるんだよね。脳神経外科行ってみたけど大丈夫だって。」と言うので、『真武湯（シンブトウ）』も昼一回追加して飲んでもらったところ、「とても手足が温まっていいわ。」とおしゃっていました。以後も好調で、春先～初夏にかけて毎年薬を取りに来ていただいています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『苓甘姜味辛夏仁湯』は、手足が冷たく、貧血様の顔をしているどちらかというと虚弱なタイプの方には有効です。花粉症ときたら『小青竜湯』だけではありませんから、ご自分にあった薬を選んでもらってはいかがでしょうか？&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>更年期の高血圧</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo69</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo69</guid>
<pubDate>2010-06-07T11:24:27+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『55歳女性Ｎさん。52歳頃から内科にて高血圧を指摘され、降圧薬を服用したが、ふらつきがみられ、中止。53歳で閉経した後から血圧が不安定となり、頭痛・肩こり・のぼせの症状が出現したとの事。来院時に一度循環器科を受診することを勧めるが、本人が降圧薬の服用を強く希望せず、漢方薬を試したい希望あり。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Nさんの当院での初診時の血圧は１５６／94mmHg。赤ら顔で肥満ぎみな方で、「とにかく、のぼせやすい。毎日、排便はあるがスッキリ感がない。」と言いながら、家族や職場への不満を延々と訴えていらっしゃいました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「胸脇苦満（キョウキョウクマン）」（詳細は以前の号）がしっかりと認められ、下腹部のハリ、ストレスも考慮し、まずは『大柴胡湯（ダイサイコトウ）』と『桂枝茯苓丸（ケイシブクリョウガン）』を４週間投与しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「胸脇苦満」はやや軽減しましたが、肝心の自覚症状は変わりません。そこで、「のぼせ」にも注目して、『三黄瀉心湯（サンオウシャシントウ）』に変更してみることにしました。 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;変更して２日目に多量の排便があり、「顔のほてりが軽くなり、つかえがスーッととれていく感じがした。」との事でした。４週間の服用で血圧もほぼ正常となり、諸症状も軽減したようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;更年期の高血圧症の中には、しばしば心気症傾向が強く、降圧薬だけではコントロールが困難なばかりか、逆にその薬の副作用に悩まされることもあります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;一般的には「柴胡（サイコ）」という生薬が配合されている漢方薬が有効ですが、症状によっては「お血（ケツ）」（詳細は以前の号）を改善する薬も併用したりします。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｎさんの場合は、『桂枝茯苓丸』という「お血」の改善薬の代表選手を使いましたが、有効ではなく、「柴胡」に加えて「黄連（オウレン）」という「清熱薬」が配合された『三黄瀉心湯（サンオウシャシントウ）』が効果的でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;このような薬の加減は個人差があり、難しい点もあるのですが、いずれにせよ「柴胡」が配合された漢方薬は、更年期にみられる「動揺性」高血圧には使ってみる価値はあるかと思われます。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>ストレスを乗り切る①</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo68</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo68</guid>
<pubDate>2010-05-06T11:59:04+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『25歳Ｍさん女性。学生時代から苦にならない程度の月経痛あり。仕事を始めてから対人関係のストレスも強く、また職場の室温が異常に低く、冷えて月経痛も強くなった。&lt;br /&gt;特に月経２日前～開始２日目まで腰痛や下腹痛が強く、全身にむくみが出る。胃がむかむかして食べたくない。人ごみでは気持ち悪くなる。突き上げるように吐き気がして、生唾が出てくる。３ヶ月間で体重は48㎏から45㎏にやせた。最近は手足の冷えが気になり、睡眠も不良。食欲もなく無理して食べているとの事。漢方治療を希望して来院。』 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;ストレスという言葉は漢方医学にはありません。&lt;br /&gt;しかし、ストレスとからだの変調との関係については東洋医学では独特の考え方にもとづいて古くから取り組んできました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;いつもお話しているように身体の状態（証）を捉えることが大切です。例えば、胃腸が丈夫である、疲れやすい、華奢な体格など細かい要素を考えて適切な処方を決定します。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｍさんは「冷え・むくみ」の症状のみから考慮すると、前回お話した『当帰芍薬散（トウキシャクヤクサン）』が有効と一見思われるのですが、新陳代謝が衰えて冷えが著しい状態になっているうえに、生唾が止まらない（東洋医学では「喜唾（キダ）」といいます）点に注目して、まず「人参」が含まれている『人参湯（ニンジントウ）』を処方してみました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;４週間後、生唾も出なくなり、食欲も出できたようなので、もう一ヶ月飲んでもらうことにしました。その後の月経痛は一進一退であるものの、軽くなっているようでした。むくみはほとんどなく、人混みに出ても悪心は起こらなくなったとの事です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;ストレスによって起こる症状はいろいろであり一律に述べることはできません。長期間になる可能性も大きいです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｍさんのように一度消化器症状を呈してしまった方はこちらを立て直す必要があります。「急がば回れ」ではないのですが、目先の「冷え」よりも「生唾」を伴う食欲不振が今回のキーワードです。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>当芍美人</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo67</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo67</guid>
<pubDate>2010-04-05T11:32:36+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;漢方の診断は「望（ボウ）・聞（ブン）・問（モン）・切（セツ）」という四診で行いますが、「望診」はその中でも最も重要な診断法です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;患者さんを診察室に呼び入れたときの反応の仕方、姿勢、動作、立ち姿、顔色、皮膚の状態などを観察するとともに、全体的なイメージをよく見るわけです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;じろじろ見られる患者さん側からはちょっと恥ずかしいかもしれませんが、漢方治療をするには若い女性であろうと「なめるように全身をくまなく観察」せざるをえません（誤解のないように）。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この「望診」により、とくに女性三大漢方薬（『当帰芍薬散（トウキシャクヤクサン）』『加味逍遥散（カミショウヨウサン）』『桂枝茯苓丸（ケイシブクリョウガン）』）はほぼ決まるといっても過言ではありません。&lt;/p&gt; &lt;p&gt;「待てど暮らせど来ぬひとを宵待草のやるせなさ」とうたわれた竹久夢二の、有名なあの絵（立田姫？）がまさに『当帰芍薬散』の「証（ショウ）」であるため、漢方医はこれを「当芍（トウシャク）美人」と呼び、この薬を使用する目標としました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;すなわち、色白で、顔は面長、柳腰で立ち姿はすっきり、声は優しく耳当たりが心地よく、しぐさがおっとりしている、「ちょっと手を差しのべてあげたくなる日本美人」と漢方医の大家が称したそうですが、こういったイメージが『当帰芍薬散』にぴったりあう「証」なのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『当帰芍薬散』は女性の聖薬といわれ、少し虚弱な女性の身体を温め、「水毒（スイドク）」（体内の水のバランスが悪い状態）をとり、月経を整え、痛みを去り、受胎を安んじるといわれます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「水毒」の症状には、頭痛・めまい・嘔気などがみられることがよくありますから、「当芍美人」は実際にフラフラすることが多いのでしょう。また、この薬は「冷え症」の中でもむくみが出やすい方にも有効です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;みなさんは『当帰芍薬散』の「証」ですか？このコラムを読まれた後は、外来に「自称、当芍美人」が多く来られるかもしれません（笑）。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>かぜをすぐひく</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo66</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo66</guid>
<pubDate>2010-03-08T14:34:25+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;風邪を発症することを「かぜをひく」といいますが、「かぜになった」とはあまりいいませんね。よく考えれば、妙な言葉だと思いませんか？&lt;/p&gt;&lt;p&gt;普通「胃潰瘍になった」「怪我をした」といいます。&lt;br /&gt;驚くべきことに自分でも気づかないうちに、皆さんは漢方医学的な発想をしているのです。風に乗って、もともと外にあった「邪」が体内に侵入することを「邪を引っ張り込む」ということで「風邪をひく」と表現しているのです。 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;一般に風邪をひきやすい人は、基本的な体力が不足していて、すぐに疲れる「気虚（キキョ）」（詳細は前号参照）の傾向があります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;すなわち、自己免疫力が弱く、風邪だけでなく、いろいろな外からの邪による病気（様々な感染症）にかかりやすいとされます。このような人は、常日頃から漢方薬などを服用して、精神・身体的に丈夫になっておくことも大切です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;漢方医学的にはいろいろな考え方がありますが、まずは、「人参（ニンジン）」「黄耆（ジンギ）」（あわせて「参耆（ジンギ）剤」といいます）を含んでいる漢方薬で体力を補ってあげることをよくします。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;虚弱ぎみで胃腸があまり強くない場合によく用いる『補中益気湯（ホチュウエッキトウ）』は、その代表格です。風邪症状は軽いが何度も繰り返し、あわせて精神不安・不眠がみられるときは『柴胡桂枝湯（サイコケイイシトウ）』も併用したりもします。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;また、子供の頃から中耳炎や扁桃腺炎をよくおこして、副鼻腔炎（ちくのう）で耳鼻科通いをしていた経験があり、成人してからも、ちょっとしたことで風邪をひいていつもグズグズするといったタイプには『柴胡清肝湯（サイコセイカントウ）』などを普段から服用されると、風邪がひきにくくなることは漢方医学的に知られています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;漫然と「かぜには『葛根湯（カッコントウ）』」をお飲みになっている方は、ご自分の体質にあった薬で「未病」（テレビのＣＭにも出ていますが）に対する策を講じてもいいのではないでしょうか？ &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>桃源郷</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo65</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo65</guid>
<pubDate>2010-02-09T14:00:00+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;こういう言葉を聞かなくなって久しいですが、古来、楽しく裕福な、夢のような暮らしができる理想郷として描かれているのが『桃源郷』です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;山中遠く、迷い込んだその地には桃の花が咲き乱れ、人々皆楽しく、憎み合わず、子供から老人まで共に助け合い、病気もなく長寿を受け入れ、生き生きと仕事をしているという世界のことです。まるで現代社会のパラドックスのようですが、漢方では、桃は長寿の食べ物とされています。 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;昔の人は桃はとても身体に良く、鬼のような人をおだやかにすると考えていました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「桃太郎伝説」の中で、鬼（＝邪悪なもの＝病気）を退治してくれるのは、山から流れてくる桃の中から飛び出した桃太郎（＝桃の種＝「桃仁（トウニン）」）であり、子供に恵まれなかった夫婦（＝高齢不妊症）が、桃を食したために（＝「お血（オケツ）」が改善）、子供ができたという説は漢方医学を基礎としたありそうな話なのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「桃仁」は「お血」（詳細は前号を参照）を改善（＝血液の滞りを改善）する効果をもつ生薬の代表選手であり、それを配合した『桃核承気湯（トウカクジョウキトウ）』は最も強い「お血」対策の漢方薬です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この物語は、「桃仁」のもつ強い「お血」を改善する効果により、長期不妊の夫婦が元気な男の子を授かるというストーリーと解釈すれば、昔、邪鬼や動物の霊に憑かれたように考えられ、古書にも「狂人の如く」と記されていますが、まさにそのようにみえた月経痛でひどく苦しむ長期不妊（現代医学では子宮内膜症）の患者を治療（＝鬼退治）できたのは、まさしく桃太郎（＝「桃仁」）だったのでしょう。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;このように、桃から生まれた「桃仁」が女性の疾患の治療では欠かすことのできない「お血」対策の生薬であることを知ると、漢方薬にも少し親しみが持てるのではないでしょうか&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>漢方製剤の保険外し？</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo64</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo64</guid>
<pubDate>2010-01-06T16:19:47+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;過日の「行政刷新会議」にて「漢方製剤の保険外し」が答申されました。&lt;/br&gt;この会議側の論理は「薬局・薬店でも漢方薬は買えるものである」との主張のようであります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;漢方製剤の保険外し問題は、17年前にも議論されたことがありましたが、１５０万人の「反対署名」を当時の厚生省に提出し、幸いにも保険外しを逃れました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;今回も日本東洋医学会は、&lt;/br&gt;「医師が処方する漢方薬と一般用医薬品で販売される漢方薬は同じではない」&lt;/br&gt;「西洋医学と漢方薬の併用によってがん患者をはじめ多くの難病治療が可能になっている」&lt;/br&gt;「漢方治療を受けているのは女性が多い（約60％）」&lt;/br&gt;「漢方には専門医制度がある」&lt;/br&gt;といった点を強調し、今回の答申には徹底的に反対する意思表明をしております。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;西洋医学は日々進歩していますが、必然的に細分化していく道をたどる性質を持っております。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;しかし、私達人間は決して機械部品の寄せ集めではありません。心身両面から総合的に複数の不具合を同時に治す考え方と手段をもつ漢方医学の価値を知ることは、西洋医学を縦糸とすれば、漢方医学は横糸のようなもので、両者の強調によって布が織られるがごとく医療の幅を拡大する有効な手段となります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;漢方は今や世界中で注目され、多くの医師たちが日常の診療で使うようになりました。もちろん、お隣の中国では古くから鍼灸とともに様々な動・植物や鉱物を加工して、薬として病気を治療していました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;初めはドクダミやゲンノウショウコ、ニンジンなどを乾燥させ、細かく砕いて服用していましたが、それぞれの薬草は独特の有効成分をもっており、治療できる症状や病気の種類が異なるので、そのうち薬草を様々に組み合わせて用いるようになりました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;病気の本質を治療するとともに表面に出てくる症状もいっしょに解消するために２種類以上の薬草を混合して薬として形づくられてから、少しずつ改良され、自然淘汰されて現在の漢方薬となりました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;ですから、多くの部分を人が人工的に作って数少ない人を対象に試験的に使ってみて、安全で効果的であると判定された「単一合成剤」の最新西洋医学と、自然のものをいろいろと組み合わせて非常に長い歴史の中で、膨大な数の人に使われて、安全性と有効性がその歴史の中で証明されて現在まで生き残った「自然複合成分混合剤」の漢方薬では、全く別の範疇の治療薬ともいえるでしょう。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;西洋薬でも漢方薬でも、目の前の患者にどちらを用いるかは、今までは医師の裁量でした。しかし、現在は病気の治療は患者が主役という「クライエント中心療法」という考え方がしだいに浸透しています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;病気の診療をひとつのドラマとするならば、どんな治療でもあくまでもその主役は患者自身であり、医師は脇役として主役をもり立てなければなりません。当然、治療法の選択の最終決定権は患者側にあるわけです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;このような背景から、もし患者が漢方を使った治療を選択したい場合に、これからの時代はどのような医療環境を患者に提供してくれるのでしょうか。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;漢方医学と西洋医学の強調によって世界に類のない医療展開を期待していた者からは、今回の答申は実際の医療の現状とわが国の誇る「漢方医学」の真価を全く理解していないと言わざるをえません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「漢方を推進する」とマニフェストに掲げていた点はどう解釈すればよいのか疑問に感じるのは私だけでしょうか。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>更年期の湿疹？</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo63</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo63</guid>
<pubDate>2009-12-10T16:30:07+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『48歳主婦Ｍさん。２年程前から手から肘、足首に赤い湿疹が出現し、ひどく痒い。軟膏をつけているがあまり有効ではない。手のひらは赤くゴワゴワした感じになり、恥かしくて人前に出せない。友人に聞いて漢方薬を試したいとの希望で当院に来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「漢方薬で治したい」という場合は他の症状を聞かなければなりません。まず、生理の周期が狂い始めており、１年に５回位に減っており、４ヶ月もあいたときもあります。その代わりに生理痛がひどく、ときどきのぼせて汗が吹き出るし、頭痛・便秘もあるとの事。足の冷えは昔からあり、手足の湿疹は冬の方が多くなるようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;生理のトラブルもあり、冬に悪化するというので、Ｍさんにはまず『温清飲（ウンセイイン）』を処方しました。この薬はいろいろな方に使ってよく効いている薬なのですが、いかんせん、とても苦いです。しかしながら、いつもお話するように効く方は案外飲んでくれるのが不思議な点です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｍさんの場合には飲み始めて２週間で、手足の湿疹は消えました。それと共に、のぼせがずっと楽になったようでした。ところが、そのまま飲み続けていると、胃は重い感じがするとの事。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『温清飲』は『四物湯（シモツトウ）』と『黄連解毒湯（オウレンゲドクトウ）』を合わせた薬で、後者の薬は実証（詳しくは以前の号を）用のかなり強い薬です。Ｍさんはそれほど実証タイプではありません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;こういう場合は、西洋医学的には胃薬を飲んでもらいながら飲み続けてもらうこともありますが、『温清飲』の『黄連解毒湯』の成分を減らすという手段もあります。 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで、『温清飲』をバラして、『四物湯』は通常の量で『黄連解毒湯』は反量に減らしてみました。この方法はうまく決まって、胃の調子は改善されて全体的に体調は良好になりました。漢方薬は生薬を合わせて作られていますから、こういう調整が可能なわけです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;その後は、Ｍさんの手足の湿疹と更年期障害的な症状は、ほぼ解決していますが、あとは顔のシミを何とかできないかと欲張っています。それには、もう少し時間がかかるのではないかと思います（笑）。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>インフルエンザと漢方薬</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo62</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo62</guid>
<pubDate>2009-11-09T16:23:50+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;今回はインフルエンザと漢方薬に関するお話です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;世間では抗ウイルス薬なるものが浸透しているかと思いますが、長い歴史の中で当時のインフルエンザと予想される疾病が流行するたびに戦ってきた漢方医学はこれまでと同じように、その役割を果たすことが出来るのでしょうか。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;インフルエンザの治療には、『麻黄湯（マオウトウ）』をはじめとする漢方薬が『傷寒論（ショウカンロン）』（漢方医学の古典）には多く用いられていました。&lt;br /&gt;これらの処方は、多くの場合、有効ですが、『傷寒』という病状はインフルエンザと似てはいますが同じではないようです。『傷寒』はインフルエンザの特殊な形ではないかと推定されています。 &lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ａ型・Ｂ型に対する『麻黄湯』と抗ウイルス薬をそれぞれ単独に投与した比較では、『麻黄湯』は抗ウイルス薬と同等の効果があり、特にＢ型では『麻黄湯』の効果の方が優れているという結果が出ています。&lt;br /&gt;また、『麻黄湯』を抗ウイルス薬に併用することで、抗ウイルス薬のみよりも、解熱に要する時間が短かくなり、かつ頭痛や全身倦怠感が続く日数も短くなったという報告も出ています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;抗ウイルス薬との併用は、通常の解熱薬（西洋薬）よりも『麻黄湯』との併用の方が治るまでの日数が短く、『麻黄湯』を治療の初日に４～５回（通常量の薬３倍）飲んでもらうとこの効果はさらに増すとの報告もありました。&lt;br /&gt;ただし、インフルエンザを漢方薬で予防できるという報告は今のところありません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;しかし、漢方薬の理論から「風寒の邪（ジャ）」を身体に進入させない処方を考えて継続して飲んでもらうことで、あるいは予防できるかもしれません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;現代の我々は、インフルエンザに対し、マスク着用、うがいの励行などの一般的な予防法、ワクチン接種や抗ウイルス薬服用など、医療的手段による予防と治療など多くの手段をもっています。&lt;br /&gt;この中に漢方医学による治療をうまく組み込めれば、従来よりもかなり有効な対処法になるかと思われます。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>不眠とうつ病</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo61</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo61</guid>
<pubDate>2009-10-05T11:36:46+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『30歳Sさん女性。第一印象は「さわやか」な方ですが、主訴は不眠とうつ症状でした。そのため二ヶ月前から休職中。&lt;/br&gt;眠れなくなったのは１年半前からで近くの内科にかかり、眠剤をもらいましたが、それでもよく眠れず、一年前から精神科にかかりました。&lt;/br&gt;「うつ病」の診断で抗うつ剤と眠剤をもらっていますが、３時間位で目が覚めてしまい、その後追いかけられる夢や怖い夢を見て、朝起きたときから気分が滅入ってしまう毎日だといいます。友人の紹介で当院に来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Sさんからお話を聞いても不眠の決定的な理由は出てきません。&lt;/br&gt;「不眠」と「うつ」から離れて最初に記入された自覚症状の欄をみると、本人の「さわやかさ」とは逆に調子の悪い点（胸やけ・胃もたれ・便秘・頭痛・肩こり・むくみ・手足の冷えなど）が目につきます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;これだけ体調が悪くて「眠れない」といいながら、明るくさわやかに振舞っているのはなにか不自然です。まるで、更年期かと思えそうな調子の悪さです。&lt;/p&gt; &lt;p&gt;「寝る頃になるととても気分がふさいできてベッドでじっとしていると急に涙が出てきて止まらなくなる。しばらく泣いてから眠るという感じ。」という状態で、原因が何であれSさんは眠るのに四苦八苦していました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;まずは、そういう涙が出て止まらない状態に使うとよく効いてくれる『甘麦大棗湯（カンバクタイソウトウ）』と、それと同時に夢に見る内容があまりよくないようなので『抑肝散加陳皮半夏（ヨクカンサンカチンピハンゲ）』を処方しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;２週間たってSさんの反応はかなり良いものでした。&lt;/br&gt;「お薬を飲んでから、頭の中がすっきりして寝る前にあれこれ考えなくなりました。最近は４時間眠れるようになりました。」と聞いて、４時間は決して眠れたとは思えないのですが、本人はニコニコして報告してくれました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;その後、数ヶ月して、お薬を取りにきたときは、&lt;br&gt;「最近７時間眠れています。」との事。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この症例は、私としては「できすぎ」でして、通常はもっと手こずるというのが正直な感想です。この両者の薬は、共に精神安定剤にはない独特の安定のさせ方をしてくれますが、つくづくこういう薬を作り出した先人の医師に感服するばかりです。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>なぜか左半身がしびれる？</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo60</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo60</guid>
<pubDate>2009-09-09T16:36:13+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『68歳Rさん女性。長年の身体の不調をかかえて来院。症状は複雑で経過も更年期のころからで経過が長い。&lt;br&gt;頑固な頭痛とカゼをひきやすいこと、胃が弱いのは15年以上になる。ここ３、４年は症状がさらに悪化し、身体の不調は全身に及んでいるが、特に左半身に集中している。&lt;br&gt;左側の足先から腰にかけて、ピンと張ったようないやな感じになり、そのあと左側全体の動きがギクシャクして、左眼の奥から痛みが始まる。その後の頭痛がひどく、吐き気がして、数日寝込んでしまうとの事。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;こんな方が受診されると、まずは脳神経外科に一度受診をして下さいといいますが、Rさんはもうすでに脳ドッグも受診済みでした。漢方薬にも詳しく、『呉茱萸湯（ゴシュユトウ）』『釣藤散（チョウトウサン）』『六君子湯（リックンシトウ）』を御自分ですでに飲んでいらっしゃいました。確かにこちらでも処方したくなる薬です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「以前飲んだ『釣藤散』が効いたようなので、処方してもらえますか。頭痛さえ治ればあとは我慢できますから…」というので、まずは本人の言いなり？に処方してみました（苦笑）。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;頭痛にはいいようでしたが、左半身のつっぱりや痛みは残っていて重苦しいとの事。そこで、おなかの症状はずっと続いているし、おなかが冷たく軟らかいので『大建中湯（ダイケンチュウトウ）』を加えて飲んでもらうことにしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;飲んでもらった感想は「まあまあで、おなかが温かくなり気分もよくなった。」という事でした。しかし、どうもすっきり効いた様ではないようです。私はせっかちの「変えたがりや」ですので、Rさんには納得してもらって薬を変更することにしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;次に処方したのは『人参湯（ニンジントウ）』です。左半身の不明な症状はあるものの腹力のない冷たいおなかで、胃腸が弱い印象を強く受けたからです。結果として、ドンピシャリでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;頭は少し痛むが、以前よりずっと良く、とにかく食欲が出てきたようでした。疲れやすいのは同じでもクタッとした感じがしないとの事。体調が良くなってからRさんは以前の状態を自覚できるようになったとお話してくれました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「考えてみると、こういう疲れ方はずっと前から同じでしたね。長く寝込むことはなかったけど、それを不思議とも思いませんでした。」よくカゼをひくというので『桂枝湯（ケイシトウ）』を処方したところ、長年の頭痛も良くなったらしいです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;以後、Rさんからは左半身の不快感の訴えはありませんでしたが、体調を整えることが大事なことを痛感した貴重な症例でした。 &lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>夏場になると下痢をする？</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo59</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo59</guid>
<pubDate>2009-08-10T16:08:15+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『46歳Ｑ女性さん。数年前から夏場に週の仕事始めの月曜になると、一日だけ下痢をするとの事。しかし、秋になると治る。漢方治療にも興味があり、来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;話を聞く限りでは仕事のストレスが原因という印象ですが、Ｑさん自身はストレスとは無縁？のような大らかな性格です。下痢は暑さから生じるのではなく、お腹が冷えるときになりやすいようです。夏場にクーラーで冷えすぎるなら話は分かりやすいのですが、それも無し。冷たいビール好きでもないらしく、困ってしまいました…。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｑさんが急に思いついたように口走ったのは「夏といっても６月位からなんです。そういえば、下痢が起こるのは、釣りの翌日ですね。」聞くところによると、渓流釣りで腰まで浸かりながら一日中楽しむというのです。６月といえども、まだ川の水は冷たく、そのためにお腹が冷えきってしまい、翌日の月曜日には下痢となったわけです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;原因が判明したところで、Ｑさんにはお腹を温め下痢を止める『真武湯（シンブトウ）』を処方しました。また、釣りには使い捨てカイロを携帯してもらうように指導したところ、見事に下痢はおさまったとの事です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『真武』とは玄武のことで、北を支配する神様の意味です。漢方医学の五行論でいえば、北は水の行で、寒さ・冬・水分などと関連があるとされています。つまり、『真武湯』は冬のように体が冷え、下痢や浮腫など水が貯留した状態を治療する漢方薬といえます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『真武湯』のように、漢方薬には四方を支配する中国の神様の名前をつけたものがいくつかあります。例えば、『白虎湯（ビャッコトウ）』の『白虎』は西方の神様で、季節は秋、白と関係があり、この生薬には、白い石膏が含まれ、体の熱を冷ます働きがあります。つまり、夏に起こるような体のほてりや熱を取り除き、秋のようにさわやかにしようという漢方薬です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｑさんのように、原因さえわかれば、薬の選択には苦慮せずに済みますが、なかなか初診の患者さんから隠れた？原因を探しだすのはご本人からお話して頂かない限り難しいケースが多いですね（苦笑）。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>慢性疲労症候群？と不快な微熱</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo58</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo58</guid>
<pubDate>2009-07-07T14:11:51+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『28歳女性Ｐさん。内科で「慢性疲労症候群」というありがたくない病名をもらった方のお話です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｐさんの病歴は大変だったようで、首のリンパ節が腫れ、高熱が続き、大学病院を紹介されて入院後、高熱は２週間でおさまるも、微熱がずっと続いてこの１年位体温が下がっていない。抗生物質やステロイドなども使用したが、症状は変わらない。&lt;br /&gt;主治医からは「慢性疲労症候群」と宣告？され、体調を良くして気長につきあうようにと言われたとの事。漢方薬局で『小柴胡湯（ショウサイコトウ）』と『人参養栄湯（ニンジンヨウエイトウ）』がいいのではと勧められ、購入して飲んで３週間でだるさがとれた気がする。しかし、微熱は変わらず、当院に来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｐさんは熱以外には、つばを飲み込むとツーンと耳が痛くなったり、下痢と便秘を繰り返したり、鼻づまり・頭痛・肩こりなどもありました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;注目したのは、お腹の筋肉の張りがなく、お臍の横下に動脈の拍動が触れる点（東洋医学では「臍上悸（サイジョウキ）」といいます）でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;病名にこだわらずに、症状から薬を決めるのが漢方医学ですが、Ｐさんの症状自体は単純なので『柴胡桂枝乾姜湯（サイコケイシカンキョウトウ）』を処方し、薬の効き目をみながら考えることにしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;症状からみれば当然なのでしょうが、これほど容易におさまるとは思いませんでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;２週間後には、熱としては５分位下がり、熱っぽさと疲れやすさがなくなり、はっきりした変化が現れました。飲み始めて最初の生理のあと、基礎体温の低温相が久しぶりに現れて、気分もすっきりしたようです。熱が下がるのが自身ではっきりわかると、安心したせいか、ぐっすり眠れるようになり、朝の目覚めもいいようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｐさん曰く「慢性疲労症候群といわれて、医者に治らない病気と言われたときはショックでした。でも私は良くなったんですよね。医者はどう説明するんでしょうか。」&lt;br /&gt;これには、私も何と答えたらよいやら困ってしまいます。病名をつければいいというものではないし、医療従事者としては責任を感じてしまいますが…。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>夏になると悪化する湿疹</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo57</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo57</guid>
<pubDate>2009-06-05T14:54:30+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『28歳女性Ｏさん。赤い顔をして来院。夏場になるといつもこんな感じの顔でかっこ悪いし、痒いし、ずっと治らない。お酒を飲んでいるみたいともいわれるし、恥ずかしい。初めは薬疹とか言われたが、原因もよく分からないとの事。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『32歳女性Ｈさん。夏になると、首筋に痒くてガサガサした湿疹が出る。皮膚科ではアトピー性湿疹といわれている。見た目も悪いし、わずらわしくて悩んで来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;今回紹介する方は共に『消風散（ショウフウサン）』という漢方薬を使用しました。この薬は面白い薬です。皮膚のトラブルでもとりわけ夏場に悪くなるものに有効で、効くときには驚くほど速く良くなる特長をもっています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｏさんは知り合いの方のお嬢さんで、赤いのが目立って気になるというので、『消風散』を二週間分ほど送ってあげた症例です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;後で聞いてみたところ、四日ほど飲んでいやな湿疹が消えてその夏はもう湿疹が出てこなかったらしいです。翌年も出てきたら飲もうかと思っていたところ、出てこないので結局飲まずに終わったとの事でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｈさんの湿疹は出るところがＯさんと違うのですが、体格もよく元気いっぱいの方（東洋医学的には実証タイプといいます）なので、『消風散』を飲んでもらいました。&lt;br /&gt;この方にも劇的に効いて、現在も時折来院されて今年で三年目ですが、次第に飲む量が減ってきたようです。これも医療費の節減に一役買っていますね。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『消風散』は古来から「夏悪ければ消風散」と云われており、最初は私自身も半信半疑な気持ちがあったのですが、よく効く症例が多いのには驚きました。Ｏさんはその後はお母さんからも本人からも湿疹の話はありませんし、彼女にとって「恐怖の夏の思い出」はもう忘却の彼方かもしれませんね。&lt;/p&gt;　　</description>
</item>
<item>
<title>腰からお尻、太ももの冷えと重だるさ</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo56</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo56</guid>
<pubDate>2009-05-08T16:43:22+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『56歳女性Ｎさん。半年以上前から急に眠れなくなった。その後、肩こりと項のこわばりを自覚し、左手のピリピリするしびれ感や左腕全体の重だるさを感じていたが、そのまま放置していた。&lt;br /&gt;３ヶ月前からは腰からお尻にかけて重だるく、スースーと冷えるようになり辛い。また、右下肢にもしびれが出現したので、いよいよ整形外科を受診。特に異常はないと云われ、当院を受診。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｎさんは夏でも腰にカイロを入れておかないと辛いそうです。&lt;br /&gt;この方のように腰・臀部・大腿部のあたりがスースーと冷えて時に重だるいような場合には、『苓姜朮甘湯（リョウキョウジュツカントウ）』がよく用いられます。Ｎさんにもこちらを試してもらいました。２週間後、「冷えは変わらないけど、夜が少し眠れるようになりました。」との事。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;かなり冷えが強い方なので、『附子（ブシ）』（以前に紹介済み）を加えてみることにしました。&lt;br /&gt;さらに２週間後、「腰回りの冷えはだいぶよくなったのですが、最近動悸がするんです。」と『附子』の副作用も出てきたので、『附子』の量を少し減らしてみました。これが功を奏したようで、腰の冷えと右下肢のしびれや不眠は改善したようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;数ヵ月後、肩こりとウエストのあたりの重だるさが残って気になるということで、お腹を触ってみました。下腹部がフニャっとしていて弾力がないんですね（これを漢方用語で「小腹不仁」（ショウフクフジン）といいます）。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;このサインがある場合には『八味地黄丸（ハチミジオウガン）』が有効なことが多く、Ｎさんにも『苓姜朮甘湯』に併せて飲んでもらうことにしました。３ヶ月後、とても調子がよいとの事で、肩こりや腰の重だるさもとれたようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『八味地黄丸』は、下半身（特に膝から下）の冷えに有効なことで有名ですが、時に足底のほてりをともなう高齢者の肩痛にも効きます。「小腹不仁」はこの薬を使うかどうかの指標となります。お腹を触る（腹診）のは和漢医学の手法の一つですが、私自身は何度かこのおかげで投薬処方の重要な手がかりを得ていますね。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>漢方薬の副効果(1)</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo55</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo55</guid>
<pubDate>2009-04-06T10:48:39+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『46歳看護師Ｍさん。仕事柄、水をよく使うせいか、若いころから手が荒れやすく、水仕事にはいつもゴム手袋を使ってきた。それでも冬の手荒れは指先が割れるほどひどい。数年前から春先になると顔がかゆくなり、赤くカサカサするようになってきた。普段は数個のニキビ状のものが出たり引っ込んだりする。&lt;br /&gt;最近、顔以外にも首から胸にかけてカサカサした湿疹が広がり、近医の皮膚科で軟膏を処方してもらい、つけはじめて２週間でよくなったが、しばらくするとまた元の状態に戻ってしまった。&lt;br /&gt;皮膚症状以外にも季節の変わり目に、くしゃみ・鼻水が止まらない。最近は「マスクちゃん」と呼ばれる位にマスクを常用している。同僚の看護師に紹介されて漢方薬を試したいとの事で来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｍさんのような「湿疹・手荒れ・アレルギー性鼻炎」には、すぐに症状に応じた漢方薬を処方しがちですが、自覚症状をよく聴いてみると、他にもかなり調子の悪いところがあるようでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「あまり食のいい方ではないですね。疲れると口内炎もできやすいし、胃腸は弱いみたいです。とくに疲れがひどいときは下痢をしやすいです。最近は冷え性で頭痛・肩こりはしょっちゅうですよ。」との事。Ｍさんは、小柄で顔色がよくありません。失礼ですが、全体的に青白い印象なのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで、まずは『六君子湯（リックンシトウ）』を処方してみて、体力をつけてみることにしてみました。２週間でおなかの調子は良くなったようでしたので、これに加えて「カサカサを潤す」ことを目標に『麦門冬湯（バクモンドウトウ）』を足すと、皮膚の症状にも改善傾向がみられました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この程度で通常は「よし」としているのですが、Ｍさんは『六君子湯』を飲んで半年以上経過するのに、体重が増えないし、少し軟便であるのが、私的にはどうも気になったので、『人参湯（ニンジントウ）』に換えてみました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;これが実に効いて「おなかの調子が六君子湯を飲んでいたときよりもさらに調子いいんですよ。不思議なことにアレルギー性鼻炎の症状が変わったことです。鼻水は出るんですけど、くしゃみが出なくてとても楽なんです。」とおっしゃっていました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;このように本来の治療目標とは異なる「漢方薬の副効果」を患者さんがお話して下さるのは、漢方を処方する側にとっては大変楽しみなことです。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>更年期障害と漢方薬(2)</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo54</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo54</guid>
<pubDate>2009-03-10T15:21:33+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『49歳主婦Ｎさん。いつもお酒を飲んでいるように顔が真っ赤で恥ずかしいとの訴えでした。５年前に他院にて子宮筋腫のため子宮を摘出する手術を受けたとの事。去年から、のぼせと顔面の紅潮が起こり始めたようです。漢方薬を試したい希望で来院されました。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;週に数回起こる頭痛と汗を伴う顔面の強いのぼせ、いつもある下腹部の張った感じ、不眠、イライラ、頻尿…と症状もたくさんありました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｎさんは、小太りの体型で頬はたしかにお酒を飲んだように赤く、足の皮膚にはちょうど糸ミミズのような細い血管（細絡といいます）が浮き出ていました。&lt;br /&gt;お腹を押すと、左下腹部は痛がります。これらは東洋医学的には典型的な「お血（オケツ）」（以前に紹介済み）の症状で、血の巡りが悪化し滞った状態で、Ｎさんのように小太りの中年女性（失礼！）によく見られ、また手術などによって必ずしもではないのですが起こりやすくなります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｎさんには、熱をもった「お血」で便秘もありましたので、『桃核承気湯（トウカクジョウキトウ）』を処方してみました。３日間で頭痛・のぼせ・発汗・便秘が、一ヶ月でイライラや不眠などが消失したようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「桃核（トウカク）」とは「桃の種」という意味で、停滞した血を巡らせる作用があります。つまり、『桃核承気湯』は「桃の種」が成分として含まれ、「承気」とは、熱をもち上昇した気を下に受け流すことを意味します。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;いわば、体力の水分・栄養分である血を動かし、活発な生命サイクルを起こさせる漢方薬ともいえます。Ｎさんのような上半身ののぼせや熱を下げようというのがこの薬の名前の由来です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｎさんが次回来院したときは、「お酒を飲んだのではなく、桃の花のような素敵なお顔ですよ。」と声をかけようかなと思っています。とにかく、『桃核承気湯』はＮさんに回復の兆しを与えたお薬のようですね。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>カゼを引きやすくて困る</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo53</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo53</guid>
<pubDate>2009-02-10T11:28:43+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『71歳Mさん。内科でいわゆる「感冒薬」をしょっちゅう処方されている方ですが、二日前からまた体調を崩してカゼを引いたとの事。いつもの薬を飲んで安静にしていたが、微熱が続き心配で来院。漢方薬を試したい希望で来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;このとき、Mさんには『桂枝湯（ケイシトウ）』を処方し、なんとか切り抜けましたが、普段飲む漢方薬？がほしいとの希望で、高齢な点も考慮して『香蘇散（コウソサン）』を処方してみました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この薬はご本人が大変気に入って、これで精神的にも落ち着きよく眠れるとの事でした。長期で飲みたいという希望でしたので、一日一回夜服にしてもらったところ、「最近、カゼを引かなくなって、とても調子がいい」とおっしゃっていました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『香蘇散』は胃腸に障らない穏やかなカゼ薬というイメージで使われています。&lt;br /&gt;激しい悪寒のあるもの、高熱のもの、関節痛の強いもの、鼻水の多いもの等には適しません。『香蘇散』には「紫蘇（シソ）」が含まれており、「気剤」という点からも気を晴らしてくれる作用があるのは以前もお話しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「○○散」という名前のものは、香りを楽しんでから内服するのが良いといわれていますが、Mさんは「飲む前に袋を開けたときの紫蘇の香りみたいのが妙に落ち着くんですよね」と、既にこちらが言う前に適切な飲み方をご自分で実行されていました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;漢方を続けていてカゼを引かなくなったという方は多いのですが、Mさんのように夜１包を飲んでいてカゼを引かず体調が良いという方は初めてですね。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>なかなか咳が止まらない</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo52</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo52</guid>
<pubDate>2009-01-09T16:36:53+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『49歳Nさん、教員。内科で「うつ病」の薬が処方されている方ですが、二ヶ月ほど前に軽い熱が出た後、咳が止まらないそうです。二週間しても一向に軽くならないので、内科を受診して、「マイコプラズマ感染症」の疑いにて精査をしましたが、特別な異常は認められませんでした。&lt;br /&gt;そこで、「うつ病」の傾向から咳が止まらないのかもしれないとのことで抗うつ剤と精神安定剤が処方されたようです。しかし、咳は少しも変わらず、むしろ眠くなるので、飲みたくないとの事。漢方薬を試したい希望で来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Nさんには『麦門冬湯（バクモンドウトウ）』を処方してみましたが、効きませんでした。&lt;br /&gt;そこでインフルエンザや肺炎の後に治りにくい咳が続くときに用いる『竹茹温胆湯（チクジョウウンタントウ）』を処方しました。変更後はたしかに咳は楽になりましたが、完全に止まったわけではありません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「学校では声を張り上げないと子供たちのパワーに負けちゃいますから、喉を休めようとしても休めないんですよ」というNさんの一言に、この方にはパワーを補給しないと漢方薬の咳止めだけでは治らないのではと感じました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで、治っていく力が落ちて、いつまでも治らないと考えれば、「柴胡（サイコ）」という生薬が含まれた薬の出番です。咳を止める薬にこだわるのを止めて、『柴胡桂枝乾姜湯（サイコケイシカンキョウトウ）』に変えてみたとたんに、咳はほとんど出なくなり、声がかすれなくなりました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『柴胡桂枝乾姜湯』は咳をとめる薬ではありません。落ちている免疫力を活発にして、からだを元の状態に戻していくイメージの薬です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;ですから、Nさんのように体力を消耗して免疫力が落ち、カゼばかりひくようになって、咳が止まらないときには、咳もピタリと止まり、からだもシャンとする場合がよくあります。実は、この薬は更年期で疲れきった方にも有効です。Nさんには更年期のことは一切触れませんでしたけど…。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>しつこい副鼻腔炎</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo51</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo51</guid>
<pubDate>2008-12-09T11:12:21+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『５歳Ｍちゃん。女性と漢方のテーマですが、今回は男児です。&lt;br /&gt;副鼻腔炎といわれて１年以上経つのですが、一進一退を繰り返し、病院通いと縁を切れないようです。&lt;br /&gt;鼻汁は出にくく、鼻閉がひどく、いつも口を開けているとの事。かぜもひきやすく、いったんひいてしまうと、鼻汁が止まらず、大変らしいです。漢方薬を試したいと母親に連れられて来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｍちゃんには『葛根湯加川　辛夷（カッコントウカセンキュウシンイ）』を処方してみました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この薬は有名な『葛根湯』をベースにしているので「麻黄（マオウ）」という薬効の強い生薬が含まれているのですが、なぜか子供は「麻黄」に強いのです。Ｍちゃんにも成人量に近い位に増やしても大丈夫でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;また、子供は良くなる経過も早いので、大変分かりやすいものです。&lt;br /&gt;一ヶ月後、鼻汁がよく出るようになり、鼻閉が取れてすっきりした様子との事でした。三ヶ月で、鼻の症状はかなり良くなりました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;おもしろいと感じたのは、以前は車酔いがひどいお子さんだったようですが、最近は車に乗っても酔わないというのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;今、Ｍちゃんは７歳になっていますが、お母さん曰く「鼻の症状が取れてから、落ち着きがでてきた感じがします。学校の成績も良くなって、驚いています」。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;その子の同級生の母親同士で、子供の成績の話題が出たところ、「頭の良くなる漢方薬」があるらしいとうわさ？になったらしいです（笑）。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｍちゃんはもともと頭の良いお子さんで、副鼻腔炎のため集中力が悪かったのでしょう。漢方薬の服用によって鼻の状態が改善するにつれ、頭の働きが良くなるのは不思議なことではないと思います。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>アクビばかりでる</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo50</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo50</guid>
<pubDate>2008-11-11T13:55:51+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『48歳Ｋさん。やせ型のおとなしそうな奥様で、ご主人の後ろに付き添うようにして来院。顔に生彩がなく、「お疲れのようですね」とご本人に問いかけると、ご主人が話をさえぎるように「疲れているとは思うのですが、いつもよく寝てばかりいる割には、アクビばかりするんですよ」。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;もう一度、Ｋさん自身に症状を聞いてみると、「３ヶ月前より別に眠くもないのに生アクビがしょっちゅうでるようになり、その割には寝付けないです。身体は重だるいし、食後は胃が軽くもたれます。気持ちはイライラして落ち着きません」と申し訳なさそうに話してくれました。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｋさんには『甘麦大棗湯（カンバクタイソウトウ）』を処方してみました。&lt;br /&gt;３日目から生アクビの回数が減り、同時に重だるい症状が軽くなり、１ヶ月後には精神的な落ち着きが自身でも感じるとの事でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『甘麦大棗湯』は、「甘草（カンゾウ）・小麦（ショウバク）・大棗（タイソウ）」の３つの生薬のみで作られた漢方薬で、すべての生薬が甘い味がするという特徴があります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;甘い味の働きは、以前にもお話しましたが、「体の緊張をほぐしたり和らげる作用」と「潤して栄養をつける作用（滋養）」という二つの働きがあります。イライラしたときにケーキを食べる女性（笑）や、疲れると甘いものが欲しくなるのは皆さんも経験があると思います。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;さて、アクビを東洋医学的に考えると、「こころ」に潤いがなくなりかつ緊張しているひとつの証拠です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;なんとか緊張をほぐそうとしている試みともいえます。『甘麦大棗湯』は、甘い味によって「こころ」に潤いをもたらし、緊張をほぐす作用がある漢方薬です。甘いものでストレスを緩和しようという人間の本能的な行動をうまく薬として取り入れた漢方薬といえましょう。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;３ヶ月後、外来に来たＫさんの位置が、いつの間にか、ご主人の前になっていたのは私の気のせいでしょうか？&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>産後の腰痛</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo49</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo49</guid>
<pubDate>2008-10-03T11:20:57+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『31歳主婦Ｔさん。産後１年を過ぎるが、腰痛でいまだに悩み続けているとの事。お産自体も難産で大変だったようで、産後から鎮痛剤をもらったりしていたが、痛みがなかなかすっきり取れない。友人から漢方薬のことを聞いて当院に来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;整形外科的には特に異常はないと云われたようです。ぎっくり腰などの発症直後には以前紹介した『芍薬甘草湯（シャクヤクカンゾウトウ）』がよく効きますが、Ｔさんのように遷延した腰痛は漢方治療でも比較的やっかいなものです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｔさんは色白でみずみずしい肌をしており、冬は冷えにも悩まされる方でした。月経周期も不規則で、月経時には軽い下腹痛もあるとの事…いろいろ迷いましたが、時々むくんだり、めまいもするという事と冷えに注目して、まずは『当帰芍薬散（トウキシャクヤクサン）』を処方しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;以前も登場した漢方薬ですが、「むくみ・めまい」は漢方医学では「水毒」（以前に紹介）として解釈することが多く、「利水剤」という水のバランスを整える生薬を使用する場合があります。ただし、この方は「痛み」に悩まされているので、『当帰芍薬散』だけではやや作用が弱いと思い、『附子（ブシ）』という鎮痛作用のある生薬を加えることにしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;その後の経過は、きわめて順調すぎて、一ヶ月で驚くほどに症状が改善しました。正直云って、これほど効くとは思いませんでした。『当帰芍薬散』はもともと妊娠の腹痛に用いられましたが、月経異常・妊娠・出産に伴う様々なトラブルにも広く有効な漢方薬です。当然、体質虚弱な女性の妊娠中・産後の腰痛にも有効ですが、効くためのキーワードは「冷え」「水毒」です。Ｔさんもその良い症例でしょう。単に「腰痛」という症状だけに注目しては、こういう処方はできません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『附子』はトリカブトを無毒化した生薬ですが、「痛み」を取るのみでなく、『当帰芍薬散』の効果を強める作用もあるようです。ここが生薬の配合の妙でして、組む相手の効果を発揮するのは漢方薬の非常にユニークな点ですね。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>寝起きの腹痛と登校拒否？</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo48</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo48</guid>
<pubDate>2008-09-05T14:47:00+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『小学校４年生Jちゃん。２年生の頃からしょっちゅう頭痛がおこり、朝起きるとおなかが痛くなり、学校へ行く前にはいつも泣きべそをかいている。学校に行ってしまうと学校内では全く問題はない様子との事。お母さんが登校拒否ではないか？と相談のために来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;おなかの調子が悪く、よく下痢をするお子さんということでまずは『小建中湯（ショウケンチュウトウ）』を処方しましたが、こちらはうまくいきませんでした。夏バテもあってかフラフラするという訴えをキーワードに『真武湯（シンブトウ）』に変更してみました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;効果はすぐに現れて、朝泣かずに起きるようになったようです。下痢も軟便程度になり、気にならなくなったとの事。しかし、気温が下がる日があると（北見のように暑い日と寒い日に極端なギャップがある街は大変ですが）咳がてきめんに出現し、再び下痢にもなってしまうようでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;以前より症状は確実に良くはなっているのですが、Jちゃんも私も何となくしっくりきません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで、Jちゃんのおなかを触って見ることにしました（腹診です）。みぞおちのあたりが少し硬くなっていたので、『六君子湯（リックンシトウ）』に変えてみたところ、今度は確かな手ごたえがありました。「頭痛も腹痛もなくなり、朝の起き方がしっかりしてきました。最近は全然泣きべそではなくなりました。」とお母さんがおっしゃっていました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;いまや子供もストレス社会です。子供にも泣くにはそれなりの泣く理由があるのでしょう。『六君子湯』は単なる胃薬ではないことは以前にも紹介しました。「気剤」（気の巡りを正す生薬）がしっかり配合されています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;漢方薬は、まずくて？子供にはどうも飲ませにくいし、私自身もあまり無理矢理飲ませることはしないのですが、Jちゃんはちゃんと飲んでくれています。小学生でも自分にとって必要な薬と認めると不思議に飲めるもので、効く薬は飲むのを嫌がらない傾向は確かにあるようですね。野生動物がふだん食べないような苦い植物を自ら積極的に食して体内の解毒をするという話もまさしく同じでしょうね。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>じとじと汗に黄耆建中湯</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo47</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo47</guid>
<pubDate>2008-09-05T14:41:47+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『３歳Ⅰちゃん（女児）。生後からしょっちゅう風邪を引きやすく、一度かかると長引いて咳や鼻水がなかなか良くならない。序弱体質で食も細い。ふだんから汗っかきで特に寝汗をよくかいている。パジャマが夜間に汗でかなり湿って夜中に着替えが必要な程らしい。母親が「体質改善」？を希望（実はお母さん自身も当院の患者さんです）されて来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;よく「虚弱体質？」という言葉を耳にしますが、一般的には「食が細い・顔が青白い・暑がりの寒がり・風邪を引きやすい」などがありますが、東洋医学的な所見で重要なサインの一つに「お腹の腹直筋がピンと張った状態」があります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;これは誰でも調べることが容易です。横になって足を伸ばした状態で、お腹を触ると太い筋が２本縦に走っている感じが判ればこのサインです。要するに、お腹の壁がとても薄くなっている状態なのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ⅰちゃんには『黄耆建中湯（オウギケンチュウトウ）』を夕食後に成人の６分の１の量を飲んでもらうことにしました。１週間後にはお母さん曰く、寝汗がまず目立って減ったことに気づいたようです。２週間後に風邪を引いたようでしたが、軽く済んだとの事。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;その後、調子がいいので半年間飲んでもらいましたが、「鼻水・鼻詰まりが最近ひどいので漢方薬で何とかしてほしい」との希望がありましたので、『小青竜湯（ショウセイリュウトウ）』（以前にも紹介）に変えたのですが、寝汗がまた出てきたようでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで『黄耆建中湯』は中止せずに『小青竜湯』も症状に併せて一緒に飲んでもらうことにして約１年経過しますが、最近は食欲も旺盛で、寝汗もなく、「虚弱体質？」は返上のようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;元来の虚弱者や病後で体力が弱ったときには、しばしば暑さや寒さの耐久性が低く、じとじとした気持ちの悪い汗や寝汗をかきやすいことがありますが、この汗は決して積極的な気持ちいい汗ではないのが特徴です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『小建中湯（ショウケンチュウトウ）』（以前に紹介）は、虚弱な小児の、いわゆる体質改善によく用いられる漢方薬ですが、これに「黄耆」を加えたのが『黄耆建中湯』です。この「黄耆」は皮膚に力がなくて汗がもれ出るというイメージの時に使う生薬で、私の場合、『小建中湯』を使いたくなるような方で、二の腕を触ってみてじとーっとしているときには『黄耆建中湯』をよく使います。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>癒着?による腹痛に大建中湯</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo46</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo46</guid>
<pubDate>2008-07-08T15:27:29+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『80歳Hさん。30歳代に腸閉塞を含めて３回の開腹手術の既往のある方で、以来腹痛が持病？との本人の弁。お腹が張ってシクシクと痛み、便通はすっきりせず残便感が常にある。下剤を飲むと痛みが強くなるばかりでかえって便通がつかない。長女と共に来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Hさんは、小柄でしたが極端にやせてはおらず、しっかりしたおばあちゃんでした。お腹の壁はとても柔らかくて腸の動きがお腹の上からはっきりみえる状態で、本人は「お腹に蛇が這っているみたいなんだよ（笑）」との事。『大建中湯（ダイケンチュウトウ）』を処方しましたが、２週間でほとんど痛みが無くなり体調も良くなったとの事で、外来に来られたときには大変喜んでおりました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この方に『大建中湯』を処方したキーワードは「腰が極端に冷えてまるで水の中にいるようだ」の一言でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;以前にも『大建中湯』は『お腹（下半身も含む）の冷えに伴う腹痛』に有効な点は紹介しましたね。この漢方薬の生薬には「山椒（サンショウ）」が含まれており、消化管、特に腸管の血行をよくする作用は動物実験でも証明されています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;私の友人の外科医から聞いた話ですが、腸閉塞の緊急手術をした患者さんに入院中術後に『大建中湯』を処方した後、退院後の外来で別の医師に「あまり効かないでしょうから、漢方薬は処方しませんから」の一言で『大建中湯』を中止したところ、とたんに便秘してお腹が張り食欲もかなり落ちてしまった方がいたそうです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;いくらその医師に頼んでも「漢方が効くのは気のせいですから」といって処方してくれない。その患者さんはとうとう漢方薬を処方してくれる別の医院に行って薬をもらったところ、やはり『大建中湯』を続けて飲むと調子がよく、残便感も減って、食欲も出るらしく、以来数年間も飲んでいるようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;便秘ではありませんが、お腹が張るんだけど下痢をするという75歳の女性にも『大建中湯』を処方して有効だった例も私自身は経験しています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;印象としては、『お腹全体がガスで膨満する方でやや痩せ気味の虚弱体質』でしかもご高齢の方にも『大建中湯』は大変効くように感じます。この薬は比較的早く１～２週間で効果が充分に出ますし、漢方薬の中でも副作用があまり無い部類なので高齢者にも使いやすいお薬ですね。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>抑肝散が効く親子？</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo45</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo45</guid>
<pubDate>2008-07-08T15:24:26+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;漢方医学における「肝（カン）」は、興奮や怒りなどの精神神経症状を司るところと考えられており、西洋医学における「肝臓」とは意味が異なります。今回紹介する『抑肝散（ヨクカンサン）』は「興奮や怒りを鎮める」という意味から名付けられました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『33歳Gさん。３歳のお子さんの育児に疲れ、最近夜泣きでイライラすることが多い。マンションの隣室にも聞こえるのではないかと思うと、気を遣ってしまう。日中子供にもあたる自分が怖いとの事。友人に漢方薬も効くことがある？と聞いて来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Gさんは本当に育児疲れの典型で、イラつく自分自身に困惑していました。話を聞くとお子さんもいわゆる「疳の虫」の症状でしたので、ご本人と一緒に『抑肝散』を飲んでもらうことにしました。『抑肝散』は、もともとは小児に使うことが多かった薬ですが、中国の古典にも、母子が同時に服用することで（母子同服）、母子ともに気の高ぶりを鎮める効果があるとされています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;最近は『抑肝散』が高齢者疾患にも応用も報告され、有効な治療手段が確立されていない認知症や脳血管障害後遺症患者に現れる、徘徊・暴言・暴力といったいわゆる問題行動に対して有効なことが報告されています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;私の友人の精神科医師も「暴力で手に負えない高齢者に『抑肝散』を処方したら、ふつうのやさしいおじいちゃんに戻ったよ。」という症例について先日話していました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『抑肝散』が効く症状には、その基盤に「うつ傾向」があることがポイントですが、ストレスが加わると誰しもがその傾向が出現することは皆さんも経験があると思います。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;つまり、日常誰にでも起こりうる症状であることを周囲の方も理解してあげなければなりません。Gさん親子にも効果があったようで、その後外来にお子さんと一緒ににこやかな顔で来院されました。前回も母子同服のお話でしたが、小さなお子さんがいる女性は育児を含めて精神的ストレスが多いのですから、皆さん、いたわってあげましょうね。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>小建中湯が効く親子？</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo44</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo44</guid>
<pubDate>2008-07-08T15:21:57+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『小建中湯（ショウケンチュウトウ）』は以前の号でも紹介した漢方薬ですが、昔からよく子供に使われていた薬です。食が細く、しょっちゅうお腹が痛いと云っては、学校や幼稚園に行く前にぐずるような子によく効きます。子供に効く場合は飲み始めると数日で食欲が出て、ぐずぐずいわなくなるから不思議です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この薬は甘くて漢方薬の中では飲みやすいので、よく親が子供を連れてきて「漢方薬で治したい」（時には無理難題もありますが）という場合に、まず飲んでもらわなければ話になりませんから『小建中湯』を処方することがあります。こういう処方の仕方は不本意なのですが、意に反してよく効いてしまう症例が多いですね。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『小建中湯』を飲んでもらっているお母さんが「アレルギー性鼻炎で耳鼻科に通院中。とにかくお腹が痛がるし、食べない。おねしょが治らない。風邪もひきやすい。」という８歳のお子さんを連れてきました。以前、風邪を引きやすい子に最初に出した漢方薬がなかなか効かなくて、『小建中湯』を出して有効だった症例をふと思い出しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この親子は共に「食が細い、お腹をこわしやすい」という共通点があったので、まさしくこの漢方薬がよく効くタイプでした。数ヶ月たって「お子さんのアレルギー性鼻炎の具合はいかがですか？」と何気なく聞くと、「食欲がでてきて最近よく食べるようになってから症状もいいんですよ」との事。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;ふつうはアレルギー性鼻炎を『小建中湯』で治そうという先生はあまりいないとは思いますが、やはり「食べる」ということの重要性なのでしょうね。それ以来、この薬で「風邪が引かなくなった」とか「生理痛がよくなった」とか「口内炎がよくなった」など様々な効果を実感します。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;二年もたつとこの親子も自分のペースを獲得したようで、勝手に症状にあわせて分量も調節して飲んでいるようで、今では私は薬を処方するだけです（苦笑）。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>２月の中旬になると動悸がする？</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo43</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo43</guid>
<pubDate>2008-07-08T15:19:01+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『31歳Ｋさん。２月の中旬に「今頃の季節になるときまって動悸がします」と当院来院。札幌で仕事をしていましたが、仕事のストレスから軽いうつになり、半年前から北見に戻ってきたようです。病気になって以来、疲れやすく気力もなく、食欲不振・胃もたれ・便秘があり、とかく家にこもりがちだと…２年くらい前から２月中旬になると、夜の動悸・顔や手足の軽いほてり・不眠などの症状が起こってくるとの事。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;紀元節というのをご存知でしょうか？これは建国記念日と名を変えて２月11日で、神武天皇が即位した旧暦の１月１日で、１年の内一番寒い頃となります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｋさんの症状は、この紀元節の頃から出現したと考えることができますね。北海道はこの時期はまだまだ寒い時期ではありますが、確実に冬至から徐々に日照時間は長くなりつつある時期です。日光があふれ出ようとする季節が春とすれば、２月中旬は春の息吹が潜んでいる時期ともとれますね。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;東洋医学では、陰（イン）・陽（ヨウ）という考え方があり、季節に対応させると冬・夏になります。この陰・陽の変わり目は病気が悪化しやすいことは古来から知られていますし、現代でも花粉症など例にとるとお分かりのように該当する点があるのは事実でしょう。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;とすれば、Ｋさんの症状は身体が春の気配を無意識に感じたからだという一つの見方もできます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;事実、東洋医学では、動悸・不眠・ほてりなどは、身体が熱をもったために起こることが多いという考え方があります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「熱のためですかね」というと「私は冷え性です。それに今は一番寒いときでしょう」と反論してきたＫさんに処方したのは『桂枝加竜骨牡蠣湯（ケイシカリュウコツボレイトウ）』でした。その結果、動悸は鎮まり、眠りもよくなり、うつ的な気分も快方に向かいました。この薬は『桂枝湯（ケイシトウ）』に化石の粉末である「竜骨」とカキの殻である「牡蠣」を加えたものです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『桂枝湯』は冷え性で虚弱な人の初期の感冒によく使用されますが、身体を温めて全体的に元気にする作用があります。「竜骨」「牡蠣」は共に気持ちを鎮め、上昇した熱を冷まして降ろす作用があります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;つまり、『桂枝加竜骨牡蠣湯』は身体の虚弱な冷え性の人向けの精神安定剤的な働きをしているのです。身体は冷えているが軽度の熱もあるという状態は、寒い季節にありながら、その中に春の日差しを含んでいる２月中旬に似ているわけですね。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>不定愁訴？実は疲労の蓄積？</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo42</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo42</guid>
<pubDate>2008-07-08T15:15:36+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『48歳Iさん。約５年前から疲れが取れず、いつもだるい。疲れるとイライラしたり、動悸がしたりするし、カゼをひくと治りにくい。最近は頑固な便秘になり、市販の下剤を飲まないと何日も出ない状態。神経科を受診して薬を処方してもらうが、眠くなるばかりであまり症状は改善されず、友人に漢方薬を試してみてはと云われて当院受診されました。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｉさんは、色白（というより青白く）で、大柄で目立つ体型でしたが、生気がない感じで、肌もカサカサとして乾燥しており、漢方医学的には「血虚（ケッキョ）」といういわゆる血液の栄養分が身体にいきわたっていない状態でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;自覚症状を並べると、疲れやすい・たちくらみ・肩こり・腰痛・手足の冷えやしびれ・イライラ・動悸・片頭痛・胸やけ・胃もたれ・便秘等等、たくさんありすぎるほど出てきました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;最近は私もこういう方の話にも慣れてしまって、あまり驚かなくなってしまいました。要はこのような方はからだ全体の調子が悪く、その違和感で占領されてしまったような状態なのでしょう。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;普通一般の治療法ならば、こういう不定愁訴だらけの方に処方する薬の種類はあまりありません。私自身もうまくいかなくなると打つ手がなくなって、精神安定剤を多用した時期も過去にありましたが、人によってはＩさんのように効くどころか、眠くなったり、ボーッとしたりするだけでさらに体調不良をおこす方も少なくありませんでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｉさんのお話を聞くと、どうしても働き続けなければならない状況がここ数年続いていたようでした。そこで漢方薬で治療するならば、多彩な自覚症状にはとりあえず目をつぶって、体力の底上げをするタイプがよろしいかと考えました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;長く働き続けてきた仕事からくる疲れ、「体中がすっきりしない」という訴え、顔つきや身体の診察の印象から『十全大補湯（ジュウゼンダイホトウ）』を処方し、頑固な便秘には『麻子仁丸（マシニンガン）』（以前の号で紹介済み）を少し加えてみました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;結果はウソのように？有効で、飲み始めてから身体が痛くなくなり、生活自体が楽になったという事でした。『十全大補湯』は最近では、抗がん剤の治療後の免疫力の向上にも有効であるという報告もあり、いわゆる「元気薬」としての評価の高い漢方薬です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;漢方薬を使うことと同時にＩさんには「仕事人間」からの脱皮もお勧めしました。真面目な方で自分が働かないと職場が困るだろうと感じているようでしたね。仕事に真面目に精を出すのは良いことですが、身体を壊してまで職場に尽くすこともないのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;働く女性はまだまだ大変です。でも、自分の身体も大切にして下さい。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>水太りタイプの女性の膝関節痛</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo41</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo41</guid>
<pubDate>2008-07-08T15:12:13+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『58歳Ｈさん。半年前から膝の痛みで歩行困難となり、数ヶ月で症状が悪化。整形外科では変形性膝関節症の診断で注射を定期的に施行しているとの事です。特に立ち上がるときと階段を降りるときが辛く、鎮痛剤で何とか痛みは和らいでいるものの腫れはひかないようです。当院に漢方も試してみたいとの理由で来院されました。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｈさんは、色白でもち肌、ぽっちゃりとしたいわゆる「水太り」体型の方でした。ご本人曰く、「水を飲んだだけでもすぐ太りやすく、最近は身体も重く感じて疲れやすいです。」漢方医学的には、「水太り」は重要なキーワードになります。このようなタイプの方は「多汗」の症状も多くみられます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『防己黄耆湯（ボウイオウギトウ）』はＨさんのような方のためにあるような薬でして、まずこちらを処方しました。ただ、膝関節の熱感も訴えるので、熱をさばく意味で『越婢加朮湯（エッピカジュツブトウ）』も少量足して飲んでもらうことにしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;飲み始めて一ヶ月後には膝の痛みと腫れは確かに良くなっていました。鎮痛剤をあまり飲まなくなった点がその効果のようです。その後は長時間の歩行などでは症状が悪化するときもあるとの事ですが、比較的調子は良く、汗もあまりかかなくなった点も喜んでいました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;調子が良いと積極性もでてくるものです。本人はその後は食事などにも気をつけて体重を５キロ減らすのに成功しました。当然ながら膝関節の負担も減りますね。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;今も半年以上経ちますが、『防己黄耆湯』はときどき飲んでもらっています。このように『防己黄耆湯』がよく効く方には長期に飲んでもらうことにより、膝関節痛がかなりラクになる場合が多いですね。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;ただし、『越婢加朮湯』は「麻黄（マオウ）」が含まれているので、胃腸の弱い方や高齢者、心臓・腎臓疾患のある方に注意して使用しなければなりません。Ｈさんには少量で使用しましたが、『防己黄耆湯』とはとても相性のよい薬でして、うまく使うと熱感をもつ腫れには大変有効です。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>更年期障害と漢方薬(1)</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo40</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo40</guid>
<pubDate>2008-07-08T15:10:14+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『46歳Ｇさん。最近、熱くなったり、寒くなったりと体温調節がうまくいかない感じがする。頭もボーッとするし、職場の友人からは「ちょっと早いけど、更年期の症状なんじゃないの？」と云われ、ショックをうけて（笑）当院に来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;自覚症状は「胃が弱く、のぼせて、頭痛、立ちくらみがある。手足の冷えは特にひどい。疲れやすい、生理痛も強い。よく、青アザができる…」と多彩でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｇさんには、以前にも紹介したことがありますが、『当帰芍薬散（トウキシャクヤクサン）』をまず処方いたしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;飲み始めて比較的早くに効果がみられ、「あまり疲れやすくなくなり、身体が軽く動くようになった」との事でした。生理痛も出血量が減り、以前よりも楽になって大変喜んでいらっしゃいました。ただ、「まだ、頭がボーッとするのと、毎日１、２回は急に体温が上がったのかと思うくらいに身体が熱くなって汗が吹き出ます。」が悩みのようでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;これはいわゆる典型的な「冷えのぼせ」の症状です。そこで「突然カーッと熱くなって、汗だらけになる」という言葉をキーワードに『五積散（ゴシャクサン）』を追加処方したところ、実にうまく効いてしまいました。一ヶ月後は調子がいいので、「のぼせを感じたらのむように」と指導しましたが、本人は真面目に休み無くのんでいたようでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;あるとき、Ｇさんは「一日三回はのめなくて、お昼を忘れて二回になることが多いのですが、調子はいいです。この前の生理もラクでしたし、三回のまなくてもいいのでしょうか？」との事。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;回数を減らして大丈夫ならばそれでいいに決まっているのに、患者さんはよくこういう質問をされます。どうも「医者でもないのに自分勝手に判断するな」と怒られた経験がある人はおそるおそる報告する方が多いですね。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;私は患者に「あなたの身体が一番正直に答えてくれるので、調整してのんで下さい。」というようにしています。のむのを忘れるのは体調がよくなった証拠ですから。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>冷え性と漢方薬(1)</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo39</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo39</guid>
<pubDate>2008-07-08T15:07:04+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『23歳Ｆさん。やせ型の色白な方で、これからの季節は特に手足が冷たく、寒いとお腹まで痛くなり、指先なんかは氷みたいになるとの事。以前は当帰芍薬散を処方されましたがあまり改善されなかったようです。どういう漢方薬が良いのかご相談に来院されました。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｆさんが処方された『当帰芍薬散（トウキシャクヤクサン）』は「婦人の聖薬」という別名があるくらいに有名な漢方薬です。たしかにこの方は色白で古人のいう「芍薬美人」タイプで、いかにも『当帰芍薬散』が効きそうな印象を受けました。でも、以前飲んでイマイチだったとの事。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで手足の冷えに有効な生薬の「附子（ブシ）」が含まれる生薬で、水をさばく利水剤も含む『真武湯（シンブトウ）』を飲んでもらうことにしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;２週間後は「少し、前よりは暖かい感じはします。」との返事でしたので、「附子」の粉末をさらに加えて飲んでもらい、冷えてお腹が痛くなったら『大建中湯（ダイケンチュウトウ）』を追加して飲んでもらうことにしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;一ヶ月後、「身体はだいぶ温かくなり、以前にような我慢の出来ない冷えは無くなりました。お腹はほとんど痛くなかったんですけど、前に外に居る時間が長くて、冷えてお腹が痛くなったので、云われたとおり『大建中湯』を飲みましたが、すぐに良くなりましたよ。即効性があるんですね。」との事。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『大建中湯』は、以前も紹介しましたが、イレウス（腸閉塞）対策で有名になった薬なのですが、元々は「お腹の痛みを温めて治す」薬です。つまり「冷えたときの腹痛」が使用するときのキーワードなのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;若い女性の頑固な冷えは、強力な温薬（オンヤク）の代表選手である「附子」などで一度温めてあげないと、なかなか改善しないようです。つまり、身体が自らを温めることを忘れてしまった状態なのでしょうね。また、現代人の冷えは「水」も関わることが多く、お水の取りすぎも要注意なのです。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>アトピー性皮膚炎を漢方薬で治す(3)</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo38</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo38</guid>
<pubDate>2008-07-08T15:04:27+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『29歳Ｕさん。アトピー性皮膚炎で皮膚科の受診歴ある方で、汗をふきふき診察室に入ってきました。体重？キロの肥満体で今年の夏は暑くて大変だったとの事。季節の変わり目にアトピー？が悪化するのか時々激しく痒くなり、皮膚症状も出やすいようです。ここ数年ステロイド軟膏のお世話にはなっていないものの何か漢方薬で体質改善？ができるのかとの相談で来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;とはいえ、皮膚のトラブル以外はとても楽天的な方で快活な印象を受けました。体質改善まではいかなくとも、Ｕさんは体型的にはいわゆる固太りタイプでしたので『防風通聖散（ボウフウツウショウサン）』を服用してもらいました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;また、時々出現する皮膚症状に対しては、ジクジクをとる『消風散（ショウフウサン）』、熱を冷ます『黄連解毒湯（オウレンゲドクトウ）』を合わせて処方しました。（前々号でも紹介済み）&lt;/p&gt;&lt;p&gt;２週間後には、皮膚症状が４日に一度位となり、２ヶ月後には月に２～３回ほどに軽快。６ヶ月の服用で、熱がりや汗も減り、身体も軽くなった感じなするとの事でした。体重は３キロ減のようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;東洋医学では、肥満は余分な水分や血が停滞した状態と考えます。これらの停滞が病気をもたらし、身体の表面に現れ、さらに熱をもった結果として、皮膚症状が出現したのがＵさんなのでしょうね。ですから、その治療はこれらの体内の停滞を取り除き、熱を冷ませばよいことのなります。Ｕさんの場合に特に大切なことは、肥満の解消です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『防風通聖散』の名前の意味ですが、「防風」は生薬名で、風を防ぎ、痒みを消す働きがあります。「聖」とは耳からまっすぐに通るのが元の意味で、そこから、ものわかりが良い、さらに優れた人（聖人）という意味にもなりました。つまり、「通聖」とは体内に詰まったものを除去して、通りを良くし、その結果、身体が優れた状態になるという意味なのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;ここで、一言注意を。『防風通聖散』は、熱がりの肥満体質の体調改善が目的であり、決して痩せるための薬ではありません。服用で体重が２～３キロほど減量することもありますが、減量はあくまでも食事・運動療法等が大切ですので・・・&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>アトピー性皮膚炎を漢方薬で治す(2)</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo37</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo37</guid>
<pubDate>2008-07-08T15:01:35+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『32歳Ｔさん。幼少からのアトピー性皮膚炎で、さまざまな治療を重ねて症状は一進一退を繰り返しています。現在はリバウンドの急性期の症状である「全身が真っ赤でまぶたや湿疹部にむくみがあったり、汁がにじみ出してジクジクしている」わけではなく、少し落ち着いて、くすんだ赤みを伴ったカサカサの時期に入ってきているようです。漢方薬に興味？があり、試してみたいとの事で来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｔさんのような「赤くてカサカサ」といった亜急性期の皮膚に対しては、基本薬としては『三物黄ごん湯（サンモツオウゴントウ）』を使うことが多いです。この薬には、「赤みをとる作用」「痒み止め作用」「体に潤いを与える作用」を持つ三種類の生薬を含んでいます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;しかし、Ｔさんは顔中心に赤くてカサカサしている状態でしたので、『辛夷清肺湯（シンイセイハイトウ）』を処方してみました。この薬は鼻炎や副鼻腔炎の薬としては有名な漢方薬ですが、実は鼻の通りを良くする働きのほかに、清熱作用と皮膚に栄養を与えて水分を補うという作用ももっているのです。さらには、これらの効果を上半身（とくに首から上）に運ぶ作用のある生薬が配合されているので、顔中心のカサカサに効果があるのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;さらにこの方はむくみも出やすいタイプ（実はぽっちゃりしています）なので、『防己黄耆湯（ボウイオウギトウ）』も併用しました。これは大変有効でして、Ｔさんからは喜ばれました。皮膚症状の改善だけでなく、下肢のむくみも取れたようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;アトピー性皮膚炎の場合は、「むくみ」にも注目して、基本になる薬にプラスしてあげることは漢方医学的にはとても重要なことなのです。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>アトピー性皮膚炎を漢方薬で治す(1)</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo36</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo36</guid>
<pubDate>2008-07-08T14:59:01+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『28歳Ｓさん。２歳からアトピー性皮膚炎で26年間悩まされてきた女性で、いくつもの皮膚科を渡り歩き、いろいろな民間療法も試してみましたが、満足のいく結果は得られなかったようです。学生時代は比較的よかったのですが、働き始めてここ数年間は悪化して、体中が痒くて眠れないとの事。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｓさんの皮膚は以前はジクジクしていつも顔にはかさぶたができていて、ステロイド軟膏を使うようになってから治まるようになったものの、今度はカサカサになってしまいました。つまり、元々はジクジクしてかさぶたが出来やすく、皮膚が赤く熱感をもつタイプのようでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;ステロイド軟膏を使っていると本来の皮膚の状態がわからなくなってしまうので、このように使う前の状態を聞くのは漢方薬を選ぶときにはとても大事な情報になります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｓさんには、ジクジクをとるために『消風散（ショウフウサン）』、熱を冷ますために『黄連解毒湯（オウレンゲドクトウ）』を合わせて処方しました。この薬を飲んで２週間で何となくジクジク感は無くなってきたものの効果がはっきり出てきたのは約２ヶ月後でした。Ｓさん曰く「先月からステロイド軟膏を止めているんです。最近は表面に自分の皮膚ができてきた感じがします。お風呂にはいるとまだ真っ赤になりますけど、ポロポロと皮がむけることが無くなって、痒み止めも使わなくてすんでいます。」との事。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;保湿のために使っていたワセリン軟膏は半年で不要になり、夏場に汗で少し痒みが出たものの、十ヶ月で目の周りに軽い色素沈着を残すだけに改善しました。仕上げには体力を補う『補中益気湯（ホチュウエッキトウ）』という薬に変えて、半年後にはすべての薬を中止しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「ジクジクタイプ」と「カサカサタイプ」では、漢方薬の処方も変わります。Ｓさんは前者のタイプで湿気の多い夏場には悪化することが多いようです。今のところＳさんは来院してないですが、今年の夏はうまくしのげたのでしょうか？&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>身体に熱がこもる</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo35</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo35</guid>
<pubDate>2008-07-08T14:55:36+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『32歳Ｒさん。がっちりとした体型のスポーツウーマンという印象の女性で、仕事から帰ってくると、頭痛に悩まされる。元来健康で、疲労感もないし、病気はほとんどしませんとの事です。脳神経外科でも異常は認められず、友人に漢方薬でも試してみてはと紹介されて当院来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;頭痛の時に、吐き気・めまいなどがあるか、イライラするか、といった質問を東洋医学では重要なのですが、Ｒさんは全く無くて期待？を裏切られました（笑）。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;ここでくじけては漢方を扱っている医者とはいえませんので、「頭痛の時に頭や身体は冷えますか？ほてりますか？」と『寒熱（カンネツ）』（詳細は以前の号参照）に関する質問をしてみました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;すると「頭痛がひどくてわかりません」と素っ気無い返事でした。「温まるとひどくなるとか、逆に温かい食べ物が好むとか？」と聞くと、「のどが渇き、冷たい水をよく飲みます。風呂に入るとひどいです。」との事。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;やっと手がかりが見えてきました。Ｒさんはどうも熱証タイプ、つまり身体が熱をもった状態の頭痛のようです。この熱は体温計で測れる熱ではありません。ただし、これだけでは状態が明確ではありませんので、どのような状態で起きるのか、あるいは悪化するのかを聞いてみました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「お仕事は？」「ゴルフのキャディーです。」日中に日当たりのいい場所で仕事をして帰宅しても熱が身体にこもって、頭痛の引き金になる、つまり軽い熱中症様による頭痛が本態だったのです。しかもＲさんは、この仕事について間もないとの事でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この方には『白虎加人参湯（ビャッコカニンジントウ）』を服用してもらい、翌日からは頭痛が軽くなり、２週間後の来院時には完全に軽快していました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この漢方薬は、身体の熱を冷ます作用があり、熱中症（日射病）や小児の高熱などによく使用されます。夏の暑い季節に外での行動が多い方は、身体と気候のバランスに注意された方がいいですね。ちなみにゴルフ好きの友人には当日『白虎加人参湯』を携帯させて、スコアをあげるのに一役買っています（笑）。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>治ったはずの胃潰瘍？</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo34</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo34</guid>
<pubDate>2008-07-08T14:49:46+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『46歳Ｑさん。消化器科で胃潰瘍を指摘されて十数年経つ。胃潰瘍は内服治療で経過を年２回内視鏡（胃カメラ）で診てもらっており、「潰瘍はほとんど治っているから、そんなに痛むはずない。少し神経質になっているせいもあるのでは？」と主治医に指摘されるが、実際に痛いのだからどうしようもない。知り合いに紹介されて当院受診。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｑさんの自覚症状は、空腹時に胃が痛み、寒いと胃がカチカチ？になる感じがして、お腹全体が張り、食べ過ぎなくても胃がもたれて胸やけがするということでした。この症状は季節の変わり目に特に悪化するらしく、他には生理不順はないが生理痛がひどく、出血量も多いようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;舌をみるとうすいピンク色で、お腹は胃のあたりを押しても痛がりませんが、左右の腰の骨の内側あたりを押すとかなり痛がりました。血液検査では軽い貧血も認められましたが、とにかくＱさんには東洋医学的には「お血（オケツ）」（詳しくは前号参照）が背景にある症状でした。そこで、『当帰芍薬散（トウキシャクヤクサン）』と『人参湯（ニンジントウ）』を処方しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;効果は消化器科の先生に申し訳ないくらいに劇的でした。十五年間も続いた痛みが飲み始めて三、四日で消えてしまったのです。胃の重苦しさも胸やけもない。要するに、何ともなくなったのです。さすがに私も「ほんまかいな？（なぜか関西弁）」と思いましたが、『当帰芍薬散』の効果は１ヶ月後の生理ではっきり表れました。生理痛も弱くて出血量も少なく、胃痛のみならずこんなにラクな生活は久しぶりとの事でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｑさんは、その後順調に良くなり、『当帰芍薬散』は４ヶ月で飲まなくなり、止めた後も生理の調子は悪化せず、『人参湯』だけは本人も食欲が出ると気に入ってその後の転居先でも飲み続けているようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;漢方薬を使っていますと、ときどきこのような「１発ＯＫ！」という劇的な効果にめぐりあいます。他の治療法では、こういう切れ味はちょっと味わえませんね。こういう症例を経験すると、劇的な効果を求めて私たちは懸命に効きそうな薬を探す努力を惜しまなくなります。患者さんからは感謝されるし、いわゆる「医師冥利に尽きる」気分を味わうときなのです。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>ストレスが原因の病気（その２）</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo33</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo33</guid>
<pubDate>2008-07-08T14:46:25+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『42歳Ｐさん。生来、神経質なところがあり、胃腸をこわしやすいタイプ。半年前、職場の配置換えがあって、それ以来体調不良が続く。同じ職場内とはいえ、新しい部署の人間関係にうまくとけ込めず、それを契機に不安感や息苦しさを感じるようになった。その頃から胃腸の調子も悪く、突然に下腹部痛を伴った下痢をおこす。エレベーターなどの閉鎖された空間に入ると、どうしようもなく不安になってドキドキするし、胸から喉にかけて何かがつまっているようで、息苦しくなってくる。最近は高校生の娘さんとの折り合いも悪く、症状は悪化してきた感じがするとの事。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｐさんは、友人から心療内科の受診を勧められましたが、「精神安定剤の類いは飲みたくない」「なるべく自然なもので治したい」という希望にて来院されました。来院時は、顔面はやや赤みを帯び、みぞおちを軽く拳で叩くとチャポチャポと水の音がしました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;今まで何度かお話した「心下振水音」という所見ですね。胃腸の動きが悪いために胃の内容物をスムーズに腸に送り出せずに胃内に水と空気が滞ってしまった状態です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;さて、Ｐさんを治療するのにどんな処方にするかですが、不安感や息苦しさ、胸から喉にかけてつまった感じは「気うつ」（以前の号参照）を疑わせる症候です。胃腸虚弱があることも明らかです。そこで、私は胃腸は後から補うことにして、『半夏厚朴湯（ハンゲコウボクトウ）』を処方しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;３週間後来院したときは「休みを２週間取って自宅でのんびり過ごしました。お薬も効いて気分がすっきりしました。」とおっしゃっていました。でも調子がいいのは、仕事から離れてストレスから解放されたせいだと感じたのは、仕事が始まったら、また調子が悪いという話を聞いてからでした。その後もお薬を飲み続けてもらいましたが、いまひとつ不安感が取りきれません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで、胃腸虚弱も治療する目的で『茯苓飲合半夏厚朴湯（ブクリョウインゴウハンゲコウボクトウ）』に変えてみました。これは『半夏厚朴湯』に『茯苓飲』を加えたものです。２週間後「今度のお薬は食欲が出て、いつの間にか胃腸のことが気にならなくなりました。カゼをひいても体調が大きく崩れることもなくなって、不安感もほとんど起こらなくなりました。」との事。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;今回、私自身が反省させられたのは、「気うつ」ばかりに注目して、胃腸のことを後回しにした点でした。『茯苓飲』は朝鮮人参がたっぷり入った薬で胃腸虚弱には良い薬ですが、「心下振水音」がある人に有効で、しかも『半夏厚朴湯』との相性がよいのは古来より経験的に知られています。Ｐさんにはまさしくうってつけのお薬であったわけです。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>高齢者のからだから潤いがなくなる？</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo32</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo32</guid>
<pubDate>2008-07-08T14:30:29+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『71歳０さん。最近皮膚がカサカサして乾燥する感じがあり、だんだんと身体に痒みを覚えるようになり、性器の周辺も痒いとの事で来院。本人曰く、皮膚科で老人性皮膚炎といわれて軟膏を塗っていたが、ちょっとはいいけどあまり効かない。年のせいだから仕方ないのかねーという話。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;加齢に伴う変化の一つに「潤」から「燥」への変化があります。お年寄りの皮膚はごわごわと乾燥して皺だらけであることは誰もがよく知っていますね。０さんの日焼けした顔は一見元気そうに見えますが、皮膚が全体的にカサカサして潤いがありません。口内も乾燥していて、舌には厚く乾いた苔がベットリと付いていました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;このような方を漢方で治療するときには、「薬で痒みを無理やり抑え込む」のではなく、「乾燥した皮膚を潤すことで、みずみずしい皮膚に戻す」ということを考えます。０さんには『当帰飲子（トウキインシ）』を処方しました。二週間後、「痒くて眠れなかったのがおかげでぐっすり眠れるようになった。」との事で、もう二週間続けてもらったところ、「最近皮膚がしっとりして、艶がでてきたよ。先生、これは若返りの漢方薬かい？」とおっしゃっていました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;乾燥するといっても皮膚だけではありませんね。&lt;br /&gt;身体のどこの部分が乾燥するかによって、現れる症状も用いる漢方薬も変わってきます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;例えば、のどの奥が乾燥してカラカラになると、特に夜間に空咳が出るようになり、布団に入ると咳き込んで眠れないことを訴える方もいます。これも高齢者にときどき見られる症状で、これにはのどを中心に潤してくれる『滋陰降火湯（ジインコウカトウ）』という漢方薬がよく効きます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;腸が乾燥する（あまり適切な表現ではないですが）と、便がちょうどウサギの糞のようにコロコロと硬くなってしまいます。こういうときも漢方医学では「腸を潤して便に湿り気を与える」考え方で、『麻子仁丸（マシニンガン）』という薬をよく使い、便がつるっと気持ちよく出ることを目標にします。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;このように、「乾いているものを潤す」という考え方はとても大切で、特に高齢者にはこの考えで上手く漢方薬を使用すると症状が軽快して大変喜ばれることがよくあります&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>慢性疲労？（その１）</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo31</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo31</guid>
<pubDate>2008-07-08T14:27:46+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『34歳Ｎさん。二人目の子供がほしく、元々生理も不順なので産婦人科でいろいろ治療を受けたが、はかばかしい結果は得られず。友人に紹介され、他院で当帰芍薬散（トウキシャクヤクサン）と小建中湯（ショウケンチュウトウ）を処方されて１年間飲んだが生理の具合もよくならず、妊娠もしなかった。最近はひどく疲れやすく、下痢もしやすく、体重は５キロ減ってしまった。妊娠も希望されて、かつ体調不良もあり、当院に受診。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｎさんは、来院時にかなり妊娠にこだわりを持っていたので、『温経湯（ウンケイトウ）』（以前に紹介）を２週間処方してみましたが、何の変化もみられませんでした。そこで体力低下と下痢に加えて、めまいがよくあるというので、『人参湯（ニンジントウ）』と『真武湯（シンブトウ）』に変更してみました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この処方に変えて２週間でめまいが治まり、下痢も良くなり、クタッとした疲れやすさが減り、家事もかなりこなせるようになったとの事。現在、薬を飲み始めて半年ほど経過しましたが、いつのまにか生理不順は解消されていました。妊娠はまだしておりませんが体調はいいようです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『人参湯』の効く人は、いかにも力のおぼつかない印象はたしかにありますが、あまり「スタミナのなさ、体力のなさ」を強調して処方すると、こういう方はたいていイヤな顔をします。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;多分、自分でもこの点は十二分に承知していて愛想がつきているのでしょうね。『人参湯』は、古来は下痢や嘔吐などで体力消耗した人を回復させるところに目的がありましたが、人参が今やいわゆる滋養強壮薬の代名詞のように扱われているのも事実です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｎさんのケースは全体の効果が目に見えるようになるのに半年かかったことになります。よく「漢方薬はゆっくり効く。効果がわかるのに半年かかる」というのはこのことだろうと思います。これは「手応えがみつかるのに半年」ではありません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;最近は効かなくても平気で飲み続けさせる治療法が多いせいか、効いても効かなくても同じ薬を疑問を持たずに飲み続けている人が多いような気がするのは私だけでしょうか？&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>ストレスが原因の病気（その１）</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo30</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo30</guid>
<pubDate>2008-07-08T14:24:31+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『58歳Ｍさん。中肉中背。49歳頃から不整脈に気づき、52歳のときに発作に襲われ、内科にて心臓弁膜症と診断されて治療を開始した。しかし、症状は次第に悪化し、動悸がひどくて息苦しく階段も上がれない。調子が悪いときは、膝の裏から下腿にかけて静脈が累々と浮き出て鈍い痛みが出る。薬を飲んでも満足する効果はなく、医師からは飲んでいる薬を全部止めてみようと云われたので、友人から漢方治療を紹介されて来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｍさんは、来院時は前医に見放されたと思い込んでいるようでした。心臓の雑音も胸部レントゲン写真も異常ありません。下肢の静脈瘤も軽度でした。そこで、私はＭさんの話をじっくり聞いて、彼女の病状に関する誤解を解く必要性を感じました。とにかく、訴えが多く、不安が強いので以前の号でも紹介した『加味逍遥散（カミショウヨウサン）』を処方しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;２週間後、Ｍさんは「漢方薬を１包飲んだら、おしっこがたくさん出て、からだがスーッと楽になりました。静脈瘤も出ないんです。」とうれしそうに外来に入ってきました。&lt;br /&gt;処方は変えずにこのまま飲んでもらいましたが、症状は消長を繰り返しながらも約２ヶ月でほとんどの訴えが消えました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;あとでよく話を聞くと、Ｍさんは「自分は末期状態」だと思い込んでいたそうです。漢方医学は特に患者さんの訴えを大事にします。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;西洋医学のような客観的な検査データがなく、訴えが治療にそのまま反映されるからです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;江戸時代から明治時代にかけて活躍した「浅田宗伯」という有名な漢方医の戒めに「巫（みこ）を信じて医を信ぜざるものは速やかに辞しさるべし」という言葉があります。「医者を信頼しない患者さんは、治す自信がないので、初めから診察しない」態度は現代では診療拒否に当たるかもしれませんが、医師は患者さんの信頼関係なくして治療はうまくいかないのです。宗伯先生の態度はけっして医者の傲慢ではなく、真に患者さんを治そうという態度の現われだと思います。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「Ｍさんのような患者さんには、漢方薬でなくても、小麦粉でも効くんじゃない？」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。プラセボ効果というものは、「偽薬」による効果ですが、漢方では良い意味でのこの効果を十分に活用しようとしています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;漢方の大家の先生の前に座るなり、「先生の顔を拝見しただけで具合がよくなりました」という患者さんがいらっしゃるようですが、こういう信頼関係こそ究極の医療なのかもしれませんね。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>ひどい生理痛（その３）</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo29</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo29</guid>
<pubDate>2008-07-08T14:21:55+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『35歳Ｌさん。やせ型。10年前の出産後から、月経の量が多くなり、５年前には貧血の治療を受けたとの事。現在も月経時はさらさらした色の薄い多量の出血があり、初日から２日間は強い下腹部の痛みがあり、温めると少しは和らぐ。漢方薬に興味があり、来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;健康な方は生理が終われば、比較的身体はすっきりするものですが、Ｌさんは約１年前からは、生理後も身体の疲れがひどくなり、動悸や息切れも強まるとの事でした。これはまさに貧血の症状で、月経時の多量出血が原因とおもわれます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;ところで、ここで一つの疑問が生じませんか？同様の月経が続いていたのに、なぜ１年前からひどくなったのでしょうか？&lt;/p&gt;&lt;p&gt;産婦人科的には、子宮筋腫が出来る部位によっては、このような多量の月経血量に伴う貧血を起こすことがありますが、Ｌさんには問題ありませんでした。よくお話を聴くと、生鮮食料品店のパート勤務を始めたころから、もとからあった冷え性がますますひどくなったようです。ところが、夫は大の暑がりで夏場は帰宅するとすぐクーラーをつける一方、Ｌさんは家までクーラーなんてとすぐ切る…パートの疲れも手伝い、家庭内は一時的に険悪な雰囲気になったとの事でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｌさんの不調は、スーパーでの冷え過ぎにも原因はあるようです。スーパーの仕事がまさに貧血をひどくしてしまったようでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;そこで月経時には『キュウキキョウガイトウ』、普段は『帰脾湯（キヒトウ）』と貧血治療のために鉄剤を飲んでもらいました。『キュウキキョウガイトウ』は、身体を温めて止血する薬で、身体が弱く冷え症の出血によく用います。『帰脾湯（キヒトウ）』の「帰」は以前に紹介した生薬の「当帰（トウキ）」のことで、「脾」は消化機能をつかさどる部分というお話はしましたね。つまり、消化機能の働きを強めてエネルギーを生み出すと同時に、不足した血を補う漢方薬なのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｌさんはその後、出血も少なくなり、貧血も改善しました。また、冷えの方も徐々にではありますが軽快をみていきました。現在は、夫婦仲もうまくいっているようで、離婚の理由に体質の不一致もいれてもいいかもと、笑ってお話するＬさんでした。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>月経前症候群</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo28</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo28</guid>
<pubDate>2008-07-08T14:18:43+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『38歳Ｎさん。５年前位から、生理の１週間前位になると頭痛と吐き気に悩まされる。生理痛はさほどひどくはないが、生理前になると、手がむくみ、耳は詰まった感じがする。時には夜中に動悸がして眠れないことや、イライラして子供に当たってしまうことがある。前医で桂枝茯苓丸（ケイシブクリョウガン）を処方されたが、効果が感じられないとの事で来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｎさんは、丸顔でやや黒味を帯びた赤ら顔をしており、一見すると確かに『桂枝茯苓丸』が有効でありそうな方でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;しかしながら、症状は典型的な月経前症候群（月経前に続く精神的あるいは身体的症状で、月経発来とともに減退ないし消失する）であり、まず『加味逍遥散（カミショウヨウサン）』（以前の号参照）を処方しました。２週間で日中のだるさは改善したが、頭痛は変わらないとの事でした。そこで、のぼせて頭痛することを参考にし、さらにイライラも取りたいことを考慮して『女神散（ニョシンサン）』に変更しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この効果は著しく、２週間で頭痛・イライラは無くなり、一ヶ月後は動悸・不眠やむくみもすっかり消失して、すこぶる好調になりました。　&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『女神散』は浅田飴で有名な浅田宗伯という古人が創製した漢方薬で、もともと戦地での神経症の治療に用いられたものでしたが、婦人の更年期や産前産後の自律神経失調症状にも著効なので使われるようになりました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;マタニティーブルーなどにも私は処方します。Ｎさんが赤ら顔であったのは、顔面の充血であり、『女神散』には『加味逍遥散』には含まれていない清熱作用（熱を取る）をもつ生薬が配合されていますので、この配合の妙が有効だったのでしょう。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;このように生薬の配合によって効き方がガラリと変わるので、効かない薬は我慢して飲み続ける価値はないのです。２週間で有効性が得られない場合はもう一度漢方薬の生薬構成の見直しをすることが大切なのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;余談ですが、ある医師から以前に『女神散』を男性に処方して患者さんから女性の薬を処方されたとクレームがあった話を聞いたことがあります。漢方薬は名前でイメージされるのが辛いですね（笑）。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>ひどい生理痛（その２）</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo27</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo27</guid>
<pubDate>2008-07-08T14:16:29+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『32歳Ｍさん。不妊を主訴に来院。もともと冷え症もあり、生理のとき量が多く、痛みもつらいとの事。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この方の外来に来られたときの第一印象は、妙に唇がカサカサしていた点でした。このように「肌や唇にツヤがなくてガサガサしている状態」は東洋医学的には、「血虚（ケッキョ）」と云いましたね。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;以前お話したように、「血虚」は「貧血」とは異なります。血液の栄養が末端まで行渡らない状態ですから、当然ながら「眼精疲労」「脱毛」「集中力低下」などの症状も起こり得ます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「血虚」を治す４つの生薬の代表選手そのもので構成された漢方薬に『四物湯（シモツトウ）』があります。この薬を基本骨格にして様々な症状に対応できるように生薬を追加したことで「血虚」対策の漢方薬はいろいろあります。前回登場した『当帰芍薬散（トウキシャクヤクサン）』もこの『四物湯』がベースになっています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｍさんには『温経湯（ウンケイトウ）』を処方しました。この薬は『四物湯』に止血作用（月経過多）・気を巡らせる作用・体を温める作用・下腹部の痛みを取る作用をもつ生薬が追加されています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;また、西洋医学的には排卵に関わるホルモンの分泌を正常化する作用も動物実験で証明されているようです。つまり「冷えていて子供が出来にくく、月経過多に伴う下腹部痛に悩まされる」という方にはまさしくうってつけの薬でしょう。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;処方後、一ヶ月してＭさんは「体が最近暖かく、体調がいい」と云って来院されました。実は「体調がいい」というこの一言が大事なのですね。漢方薬は身体の本来の状態に戻そうという作用が働きますから、治したい症状以外にも様々な効用が現れてきます。二ヶ月経って、排卵もしっかり起こるようになり、生理痛も軽くなったとの事でした。現在妊娠に向けて頑張っています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この方は不妊を主訴に来院されましたが、不妊に『温経湯』が有効というわけではありません。身体の状態が『温経湯』にあうものであったに過ぎません。ですから、同じ薬をほしいという方がよくいらっしゃいますが、この点をよく理解していただきたいと思います。さもなければ、漢方薬本来の効果は得られませんから…。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>ひどい生理痛（その１）</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo26</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo26</guid>
<pubDate>2008-07-08T14:12:46+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;今回から数回シリーズで「生理痛と漢方」のお話をします。まず、患者さんに登場してもらいましょう。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『28歳、Lさん。最近ひどい生理痛で悩んでいる。冷え症もあり、手足は冷たい。鎮痛薬は手放せないが、漢方薬を試してみたい希望で来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Lさんは、色白な方で、舌を診るとややうすいピンク色でちょっと歯痕（歯の痕が舌に残る）がありました。この方には「冷え症」もありましたが、こちらを治すには大きく２通りの方法があります。「（気・血・水のいずれにせよ）巡りをよくして温める」というのと「暖かみを補充する」という方法です。これは、ストーブに空気をふいごで送るのと、原料の薪を補充するイメージと同じですね。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;私はLさんに「冬場にアカギレができやすくないですか？」という問いかけをしました。答えはイエスでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;なぜ、こんな問いをしたかというと、「血虚」（以前の号を参照）の有無、つまり、血液の栄養循環が隅々までいきわたっているかを確認したかったのです。実際にLさんは、爪が割れやすく、皮膚もカサカサしていました。そこで「血虚」を治す生薬を選ぶことになるわけですが、その中でも生理痛のような子宮の筋肉のしこりを和らげる生薬には『芍薬（シャクヤク）』があります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Lさんにもう一つ注目する所見がありました。それは舌の歯痕です。&lt;br /&gt;コレは以前お話した「水毒」の所見で、やはり生理のときはむくみが出やすいとの事でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この両者を治す生薬が含まれているもの、つまり、血液の循環を良くして、体内の水分のバランスを整える薬のひとつに『当帰芍薬散（トウキシャクヤクサン）』があります。今回はこちらを処方しましたところ、冷えやむくみはよくなったが、生理痛は以前よりは軽いものの時折発作的に痛いことがあるとの事でした。そこで『芍薬』のパワーを増強するために『芍薬甘草湯（シャクヤクカンゾウトウ）』という即効性のある薬を痛いときだけ飲んでもらうように指導しました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;３ヶ月後に来院したときは「あのよく効く薬はあまり飲まなくてもいいようになりました」とのお話でした。これが漢方薬の不思議な点で、鎮痛剤を多用していた方も不要になるケースが珍しくありません。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>腎虚って何？（その２）</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo25</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo25</guid>
<pubDate>2008-07-08T14:10:17+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;前回は「腎虚（じんきょ）」のお話をして、『六味丸（ロクミガン）』という漢方薬を紹介しました（詳しくは前号を参照）。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;腎を補う薬には、この仲間として『八味地黄丸（ハチミジオウガン）』『牛車腎気丸（ゴシャジンキガン）』などもあります。これらの薬は『六味丸』にさらに他の生薬を足してできています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;では、どう使い分けるのでしょうか？「腎虚」は決して「腎臓が悪い」のとは違うという話は前回しましたし、下半身あたりに症状が出ることが多いこともお話しました。&lt;br /&gt;「おしっこが最近近くなった」「腰もなんとなく痛い」…などは典型例でしたね。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;もし、こういう方で「冷え」があったとしましょうか。「足の裏が冷えると、つま先がほてる」なんていうのは漢方医学的には不思議な症状ではありません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;その場合は、「冷え」を良くする生薬が含まれた漢方薬の方が良いにきまっています。つまり古人は『桂枝（ケイシ）』（シナモン）や『附子（ブシ）』（毒性のないトリカブト）の二種類の生薬を『六味丸』に足して『八味地黄丸』（６＋２＝８です）を造ったのです。また、「冷え」もあるけど「下半身のしびれ」もある方のために、それに対応した生薬をさらに加えて『牛車腎気丸』なる薬も造ってしまいました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;よく膝から下だけがむくんで、しびれて冷える方なんかいらっしゃいますが、こういう方は『牛車腎気丸』が効くタイプなのですね。「冷え」があるかないかを聴くのはとても大切で、「冷え」のない方に『八味地黄丸』や『牛車腎気丸』を処方したら、その方は熱くてたまらないでしょうね。「冷え」を診るには実際に触って診察するのが一番です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「腎虚」は決して高齢の方だけの症状ではありません。若い方でも「腎の精」の不足は過労のように無茶をすると起こり得ます。ただし、高齢の方と違うのは、若い方は即効性があります。本当にびっくりする位に早く効いてしまいますね。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;一般的に「腎虚」を治すには時間がかかると云われていますが、個人的には「ちょっと顔色が赤らんでいる」タイプには、どうも『八味地黄丸』がよく効く方が多い印象をもっています。『桂枝（ケイシ）』（シナモン）は「のぼせ」に効く生薬ですから、ここにカギがあるのでしょうか？&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>腎虚って何？（その１）</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo24</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo24</guid>
<pubDate>2008-07-08T14:03:03+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;以前に東洋医学では消化吸収機能をつかさどる「脾（ひ）」というお話をしましたが、今回は「腎（じん）」の概念についてお話します。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「脾」と同様に「腎」も腎臓そのものを意味するものではありません。腎は生を受けたときにもつ本来のエネルギーを保持していますが、年齢とともにそのエネルギーは減っていきます。今話題になっているエイジング（加齢）は東洋医学的にはまさしく腎の衰え（「腎虚（じんきょ）」といいます）をさしています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;では、「腎虚」ではどのような症状が出現するのでしょうか？「尿が近い、または出にくい」「腰が痛い」「足腰に力が入らない」「精力減退」は代表的な症状ですが、「耳鳴り、めまい」「難聴」「むくみ」「かゆみ」「冷え」「手足のほてり」といった症状もあります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;なんで「耳」の症状？と思うでしょうが、東洋医学では「腎」は「耳」につながっているという解釈があります（腎臓が弱ったら耳もおかしくなるという意味ではありません）。「経絡（けいらく）」という考えがあるように人間の身体はインターネットのようにいろいろな部分と連絡し合っていて、こういう考え方は古来からありました。さて、今回の患者さんです。　&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『64歳、Ｋさん、女性。最近、どうもおしっこが近くて泌尿器科を受診したが膀胱炎ではないといわれた。歳のせいか腰も痛いし…。夜なんか足がほてって眠れない。漢方薬でも試したいとのことで来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｋさんを診た瞬間、「腎虚」かなと思いましたが、一応お腹を触り（腹診）証明することにしました。代表的なサインは「少腹不仁（ショウフクフジン）」といって、臍の下あたりに周りと比べて力がなくてヘニョッとした柔らかい部分があるかどうかです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この方にはこのサインがありました。&lt;br /&gt;腎を補う漢方薬として『六味丸（ロクミガン）』を処方しましたが、１ヶ月でとてもおしっこの調子が良く、夜ふとんから足を出さなくなったとのことでした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;さて、「腎虚」でなぜ「ほてり」が出現するのでしょうか？手足がほてると冷やせばいいと思いがちですが、ご高齢の方の「ほてり」の原因は「乾燥」によるものが意外と多いものです。つまり、潤してあげると改善する「ほてり」なのです。一度、大汗をかいたときに水を飲むのを我慢してみて下さい。この「ほてり」を実感できますよ（笑）。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>更年期にもいろいろ</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/knapo23</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/knapo23</guid>
<pubDate>2008-07-08T13:47:35+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『49歳、Ｊさん、女性。最近、急に胸が苦しくなったり、気分が落ち込んだり、頭にきたりで、とにかく気が変になりそう。半年前から生理も不順で、同年代の人も更年期と云われた人もいるとの事で、来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;更年期の方の背景は、西洋医学的には「女性ホルモンの失調」ですが、単にそれだけではありません。家庭では子供の進学・就職の問題、仕事を持っている方は立場上のストレスなど様々なことが影響する年代なのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;更年期障害を東洋医学的に扱うときのカギになるのは「気の異常」です。しかし、「気の異常」は「血」「水」にも影響するので、それぞれに対応する生薬で構成される漢方薬が必要になります。（気・血・水については以前の号を参照）&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「気の異常」は決して精神の病気を意味するのではなく、私達が日常誰でも経験する現象です。イライラしたり、胸が締め付けられるような思い、気力がなくなる、頭に血が昇る感じなど皆さんは一度は経験しているでしょう。更年期に限ったことではありません。ですから、更年期専用の漢方薬が存在するのではなくて、主に「気の異常」を治す薬の一部が更年期の薬と称して有名になっているだけなのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｊさんには『加味逍遥散（カミショウヨウサン）』を処方しました。この薬の名前の「逍遥」とは、「ぶらぶら歩く、定まらない、多彩」という意味があります。つまり、様々な症状が出現するような方に使う薬として名付けられたのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『加味逍遥散』には「気の異常」の中でも「気うつ」に対応する生薬が含まれ、皆さんご存知の「薄荷（ハッカ）」も入っていて、発散させたり、通りを良くしてスッキリさせる効果があります。また、この漢方薬には「血」「水」のバランスも良くする生薬も含まれていますから、動悸やめまいにも有効です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この方がもしも動悸・めまいが主な症状で「気の異常」が無い場合は、『桂枝茯苓丸（ケイシブクリョウガン）』を迷わず処方したでしょう。なぜでしょうか？「気の異常」が無いならば、それに対応する生薬は必要ないのです。生薬の種類が多ければ、症状に対する守備範囲は広がりますが、その分効果の切れ味は悪くなるのですから。この点が症状を見極めて処方を選ぶ「漢方薬の妙」なのですね。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>食欲がなくて元気がない</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/knapo22</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/knapo22</guid>
<pubDate>2008-07-08T13:42:38+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;『31歳、Ｉさん、女性。最近、どうも食欲がない。お腹をこわすことが多い。やる気もないし、元気が出ない感じがしてたまらない。内科で消化器の検査をしたが特に異常なしといわれ、友人に漢方薬を試してはと云われて来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;Ｉさんのような方は結構いらっしゃいますし日常よくあることですが、これといった原因が見当たらないことも多いですね。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;食欲の低下は、単に消化器の問題ではなく、気分の問題のこともしばしばあります。東洋医学では「五臓」という考えの中で「脾」という概念があるのですが、これは西洋医学の「脾臓」とは全く異なり、「消化吸収機能」そのものを意味する言葉です。そもそも「食べる」ことでエネルギーを補充するのですから、「脾」の機能低下はいろいろなトラブルの原因にもなります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;では、「脾」の機能低下をどうやって見抜くのでしょうか？顔色？それもありでしょうが、東洋医学では「胃内停水」「正中芯（セイチュウシン）」などというお腹を触って調べる手段もあります。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;前者は、横になって胃のあたりに軽く手を当てて上下に揺さぶるとポチャポチャと音がすることをいいます（知り合い同士でやってみて下さい）。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;後者は、お臍のすぐ上か下のお腹の真ん中に鉛筆の芯みたいものがあることをいいます。コツは指を軽く立てて左右に軽く押してみます。このサインがある方は「冷え」や「気虚」（詳細は以前の号参照）があることも多く、「人参」を使うとよいといわれています。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;私はＩさんには『六君子湯（リックンシトウ）』を処方しました。この方には「正中芯」がありましたので、「人参」が含まれた薬がいいはずです。『人参湯』という「人参」そのものの名前がついている薬があるのですが、私はあえて『六君子湯』にした理由はＩさんには「胃内停水」もみられたことにあります。これがあるということは「余っている水をさばく」生薬も使いたいわけです。となると、『人参湯』よりは『六君子湯』の方が「水をさばく」作用が一枚上手ですし、かつ「人参」も含まれているのでこちらを処方したのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;この方には『人参湯』でもそこそこ効くとは思いますが、基本骨格が「人参」という生薬以外に、患者さんの状態によってより有効と思われる生薬が含まれている方がいいはずです。こういう選択ができるのも漢方薬が生薬の複合剤（寄せ集め）だからなのです。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>ニキビに効く漢方が扁桃腺炎にも効く？</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo21</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo21</guid>
<pubDate>2008-07-08T13:39:21+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;今回は、「ニキビ」と漢方薬にまつわるお話です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;『24歳、Ｈさん、女性。子供の頃からアトピー性皮膚炎があるが、成人してからは悪化していない。最近ニキビが気になり、女性ホルモンの乱れから起こることも友人から聞かされて当院に来院。』&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「ニキビ」にもいろいろなタイプがありますが、Ｈさんは顔の熱感があり、化膿してジクジクしているようなタイプでした。東洋医学的には、「寒熱」の考え方は大切なことは以前よりお話していますが、この方の皮膚は「膿があって、炎症をおこして熱がこもっている」状態です。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;つまり、「清熱」（熱をとる）してあげることは一つのポイントですが、さらに「排膿」（膿を発散させる）も重要です。漢方薬は生薬の複合剤ですから、この両方を満たしてくれる薬もできるのですね。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「ニキビ」によく使われる漢方薬には『清上防風湯（セイジョウボウフウトウ）』『荊芥連翹湯（ケイガイレンギョウトウ）』などがありますが、私はＨさんには『荊芥連翹湯』を処方しました。処方薬の基本骨格は、「清熱」＋「排膿」の生薬でいいのですが、それならば『清上防風湯』でも事が足りるはずです。なぜこれを処方しなかったのでしょう？&lt;/p&gt;&lt;p&gt;実はＨさんの手をみたんですね。皮膚がカサカサしてちょっと黒っぽい印象でした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;これは、「血虚（ケッキョ）」（詳細は以前の号を参照）で血液の栄養が末梢まで行渡らない状態ですから、「補血（ホケツ）」の生薬がプラスされた方がより効果的と考えたので、これがさらに加わった『荊芥連翹湯』にしたわけです。『清上防風湯』でも有効かもしれませんが、その人の状態に合わせた薬を選択できるのが漢方薬の利点なのです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;さて、以前に『清上防風湯』を処方した方が次のようなことを話してくれました。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;「ニキビでもらった薬ですけど、余ったら先生が『喉が腫れて痛いときにも効く』と云われたので試したのですけどとても効きました。」ニキビの薬が本当に効くの？と思われる方がいらっしゃると思います。でも、よく考えてください。扁桃腺炎なども「清熱」と「排膿」を必要としている状態ならば、効くはずです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;西洋医学は、ニキビは皮膚科、扁桃腺炎は耳鼻科の薬と色分けしがちですが、東洋医学は病名にこだわらず患者の状態と薬の関係を重要視します。適応症がニキビであっても、状態によっては蓄膿症やモノモライなどにも有効なのは漢方薬では決して珍しくありません。このように西洋医学的な領域や適応症だけで考えると漢方薬の本来の効果を見落としがちになってしまうことがあるのです。&lt;/p&gt;</description>
</item>
<item>
<title>アレルギー性鼻炎に小青竜湯が効かない？</title>
<link>http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo20</link>
<guid isPermaLink="true">http://www.kouwakai-nakamura.jp/article.php/kanpo20</guid>
<pubDate>2008-07-08T13:35:10+09:00</pubDate>
<category>漢方コラム</category>
<description>&lt;p&gt;この季節になるとアレルギー性鼻炎で悩む方も多く、国民病のように云われています。漢方薬では、この分野では『小青竜湯（ショウセイリュウトウ）』（以前に紹介済み）が大変有名で、すでに処方されている方も多いと思います。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;しかし、コレで効かない方もいますね。どうしたらいいのでしょうか？効かないのはどうしてなのでしょう？&lt;/p&gt;&lt;p&gt;以前、『小青竜湯』は「表寒」（体表が冷えている）の人向けの薬であることや、五味子（ゴミシ）という生薬がゆるんでいる鼻粘膜を絞める作用があることはお話しました。鼻水が止まらないときは、漢方医学的には大きく二つの面から診ていきます。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;鼻水ですから、当然「水」をどう処理するかです。鼻水でも「垂れるのか？詰まって苦しいのか？」で方針は異なります。詰まっているときは『小青竜湯』では無効なことはしばしばあります。こういう場合、辛夷（シンイ）［モクレンのつぼみの一種］という生薬が詰まりを改善する代表選手です。（昔はこのつぼみを鼻の穴につっこんだみたいです）&lt;/p&gt;&lt;p&gt;もう一つは、「寒熱」の考え方ですが、鼻炎のときに「身体が冷えたときに悪化するのか」「鼻の中が熱がこもった感じがして苦しいのか」というように、「冷えるのか熱いのか」で治療も変えなければいけません。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;熱感があって苦しいときは、清熱剤が有効なはずで、逆に温める薬では本来の逆のことをしていることになります。『小青竜湯』が効かない中には、このパターンも考えられます。「熱証」の見分け方の方法は以前お話したと思いますが、ご自分で舌を鏡で観て下さい。舌が赤っぽいのが「熱証」、青白っぽいのが「寒証」タイプです。簡便なので参考にして下さいね。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;このような考え方があれば、「アレルギー性鼻炎ときたら小青竜湯」といった短絡的な処方はなくなりますし、本来はそうやって処方すべきなのです。ですから、「鼻が詰まって息苦しく、鼻の周りに熱感がある」ときには、「熱証」向けの薬に辛夷が含まれていると効果的かなという発想になりますから、『辛夷清肺湯（シンイセイハイトウ）』などが適応のお薬となるわけです。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;アレルギー性鼻炎には漢方医学では「水」「寒熱」から薬をその人の状態に合わせてあげることが大切です。&lt;/p&gt;</description>
</item>
</channel>
</rss>

