『59歳Sさん。花粉症で薬局にて『小青竜湯(ショウセイリュウトウ)』を購入して飲んでいるが効かないとの事。別な漢方薬?を希望して来院。』

水様性の鼻汁・くしゃみを主訴とし、目のかゆみなどを伴うときに『小青竜湯』を用いることはあります。もちろん、よく効いてくれる方もいらっしゃいますが、Sさんのように全くといってもいいくらいに効かない方もいるのも事実です。

Sさんは来院時に「貧血はないのに顔色がすぐれず、顔がむくむ。『小青竜湯』を飲むと、胃が荒れる?んだよね。」と言って、自分は昔から胃下垂だとおっしゃいます。

実はこの言葉は重要で『小青竜湯』には「麻黄(マオウ)」という生薬が含まれているので胃腸虚弱な方には避けた方がよいのです。
そこで、Sさんには『小青竜湯』に似ていますが虚弱者向けの『苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)』を飲んでもらうことにしました。

2週間後、「飲んですぐにくしゃみが減ったみたい。続けて飲んでいるが、症状が軽くなって助かる。」との事でした。

「時々、くらっとするめまいがあって地震かなという事があるんだよね。脳神経外科行ってみたけど大丈夫だって。」と言うので、『真武湯(シンブトウ)』も昼一回追加して飲んでもらったところ、「とても手足が温まっていいわ。」とおしゃっていました。以後も好調で、春先~初夏にかけて毎年薬を取りに来ていただいています。

『苓甘姜味辛夏仁湯』は、手足が冷たく、貧血様の顔をしているどちらかというと虚弱なタイプの方には有効です。花粉症ときたら『小青竜湯』だけではありませんから、ご自分にあった薬を選んでもらってはいかがでしょうか?