『71歳Mさん。内科でいわゆる「感冒薬」をしょっちゅう処方されている方ですが、二日前からまた体調を崩してカゼを引いたとの事。いつもの薬を飲んで安静にしていたが、微熱が続き心配で来院。漢方薬を試したい希望で来院。』

このとき、Mさんには『桂枝湯(ケイシトウ)』を処方し、なんとか切り抜けましたが、普段飲む漢方薬?がほしいとの希望で、高齢な点も考慮して『香蘇散(コウソサン)』を処方してみました。

この薬はご本人が大変気に入って、これで精神的にも落ち着きよく眠れるとの事でした。長期で飲みたいという希望でしたので、一日一回夜服にしてもらったところ、「最近、カゼを引かなくなって、とても調子がいい」とおっしゃっていました。

『香蘇散』は胃腸に障らない穏やかなカゼ薬というイメージで使われています。
激しい悪寒のあるもの、高熱のもの、関節痛の強いもの、鼻水の多いもの等には適しません。『香蘇散』には「紫蘇(シソ)」が含まれており、「気剤」という点からも気を晴らしてくれる作用があるのは以前もお話しました。

「○○散」という名前のものは、香りを楽しんでから内服するのが良いといわれていますが、Mさんは「飲む前に袋を開けたときの紫蘇の香りみたいのが妙に落ち着くんですよね」と、既にこちらが言う前に適切な飲み方をご自分で実行されていました。

漢方を続けていてカゼを引かなくなったという方は多いのですが、Mさんのように夜1包を飲んでいてカゼを引かず体調が良いという方は初めてですね。