『46歳Mさん。「とにかく疲れやすく、すぐに横になりたい。首から上が?いつもムカムカする。」が開口一番。また、歩くときに右膝が痛くなる。1年に易疲労感にていろいろ検査したが、異常ないとの事。漢方薬が良いとのうわさ?で来院。』

 Mさんは身長158センチ、体重85キロで典型的な水太りの体型でした。易疲労感があり、すぐに横になりたいといわれたので、まず『補中益気湯(ホチュウエッキトウ)』を処方しました。

2週間後、ムカムカは変わらないのですが、易疲労感が良くなっていました。とりあえず、このままの処方で良いかと思ったのですが、体型とムカムカがどうも気になりまして、『防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)』を処方してみました。三ヶ月後、易疲労感も取れ、吐き気もなくとても調子が良いとの事。ついでに膝の痛みもやわらいでいるようでした。

 実はMさんには、初診時に見た印象から『防已黄耆湯』を使いたいと思ったのですが、「疲れやすさ」から『補中益気湯』にしてみました。

漢方は見た目も実は大切で、大塚敬節先生という漢方の大家は『防已黄耆湯』に関して「色が白く、肉が軟らかく、俗に水太りと称する体質の人で、疲れやすく、汗の多い傾向の人に用いる。あるいは膝関節が腫れて痛がる人にも用いる。有閑夫人で肥えている人にこのタイプがよく見られる。」と解説しています。

 Mさんも、まさに『防已黄耆湯』といった体型をされていましたので、最初から『防已黄耆湯』でも有効だったかもしれません。実は、Mさんに処方しながら、体重も落ちてくれることをこっそり期待していたのですが、こちらは当てが外れてしまったようです。