足が冷えてよく眠れないとか、手足は冷えているのに顔はのぼせるなどという症状は特に女性には多くみられ、成人女性の約半数はこうした「冷え」に悩んでいるようですが、西洋医学ではこれを病気としてとらえていないので、血行不良を改善する末梢循環改善薬やビタミン剤を処方するくらいです。当然、症状が全くなくなることはあまり期待できませんね。

このようなときにこそ活躍するのが漢方薬です。

冷えはそのままにしておくと、頭痛や、生理痛、しびれなど様々な症状を招くことになりますので予防医学の立場からも大切です。

冷えは一般的に血行不良が原因と考えられがちですが、漢方医学では食生活や生活環境、ストレス、ホルモン異常などによる自律神経の乱れや新陳代謝の低下、胃腸機能の低下など多岐にわたって原因を考えます。

冷えにもいくつかのパターンがあり、診察のときに注意しなければならないのは、「手で直接さわる」ことなのです。

当たり前と思う方がいらっしゃるかもしれませんが結構お話を聞いてもらうだけで触られていないケースが多いのでは?

漢方医学では「往来寒熱(おうらいかんねつ)」というとらえ方がありまして、寒さと熱がアンバランスに存在、つまり冷えとのぼせが共にある状態があります。

例えば、上半身が暑く下半身は冷たいとか、右半身のみ冷えるなどです。本人の冷えの自覚があっても、さわると暖かいのも「往来寒熱」なのです。となると、こういう方に強力に暖める漢方(ブシ剤など)を処方しても効かないんですね。というか、証が違うのに薬が効くわけないのです。

意外に多いのは「気逆(きぎゃく)」の冷えです。前回お話した「気」は本来上から下へ流れていくのですが、そのめぐり方が逆になると「気」の少ない方は冷えが、多い方は熱がでてくるのです。こういう方には「気逆」の薬の方がよく効くことがめずらしくありません。

このように冷えにも漢方ではその人の状態で薬が異なりますので、つらい方は一度漢方薬を試してはいかがでしょうか?