『28歳女性Oさん。赤い顔をして来院。夏場になるといつもこんな感じの顔でかっこ悪いし、痒いし、ずっと治らない。お酒を飲んでいるみたいともいわれるし、恥ずかしい。初めは薬疹とか言われたが、原因もよく分からないとの事。』

『32歳女性Hさん。夏になると、首筋に痒くてガサガサした湿疹が出る。皮膚科ではアトピー性湿疹といわれている。見た目も悪いし、わずらわしくて悩んで来院。』

今回紹介する方は共に『消風散(ショウフウサン)』という漢方薬を使用しました。この薬は面白い薬です。皮膚のトラブルでもとりわけ夏場に悪くなるものに有効で、効くときには驚くほど速く良くなる特長をもっています。

Oさんは知り合いの方のお嬢さんで、赤いのが目立って気になるというので、『消風散』を二週間分ほど送ってあげた症例です。

後で聞いてみたところ、四日ほど飲んでいやな湿疹が消えてその夏はもう湿疹が出てこなかったらしいです。翌年も出てきたら飲もうかと思っていたところ、出てこないので結局飲まずに終わったとの事でした。

Hさんの湿疹は出るところがOさんと違うのですが、体格もよく元気いっぱいの方(東洋医学的には実証タイプといいます)なので、『消風散』を飲んでもらいました。
この方にも劇的に効いて、現在も時折来院されて今年で三年目ですが、次第に飲む量が減ってきたようです。これも医療費の節減に一役買っていますね。

『消風散』は古来から「夏悪ければ消風散」と云われており、最初は私自身も半信半疑な気持ちがあったのですが、よく効く症例が多いのには驚きました。Oさんはその後はお母さんからも本人からも湿疹の話はありませんし、彼女にとって「恐怖の夏の思い出」はもう忘却の彼方かもしれませんね。