『小学校4年生Jちゃん。2年生の頃からしょっちゅう頭痛がおこり、朝起きるとおなかが痛くなり、学校へ行く前にはいつも泣きべそをかいている。学校に行ってしまうと学校内では全く問題はない様子との事。お母さんが登校拒否ではないか?と相談のために来院。』

おなかの調子が悪く、よく下痢をするお子さんということでまずは『小建中湯(ショウケンチュウトウ)』を処方しましたが、こちらはうまくいきませんでした。夏バテもあってかフラフラするという訴えをキーワードに『真武湯(シンブトウ)』に変更してみました。

効果はすぐに現れて、朝泣かずに起きるようになったようです。下痢も軟便程度になり、気にならなくなったとの事。しかし、気温が下がる日があると(北見のように暑い日と寒い日に極端なギャップがある街は大変ですが)咳がてきめんに出現し、再び下痢にもなってしまうようでした。

以前より症状は確実に良くはなっているのですが、Jちゃんも私も何となくしっくりきません。

そこで、Jちゃんのおなかを触って見ることにしました(腹診です)。みぞおちのあたりが少し硬くなっていたので、『六君子湯(リックンシトウ)』に変えてみたところ、今度は確かな手ごたえがありました。「頭痛も腹痛もなくなり、朝の起き方がしっかりしてきました。最近は全然泣きべそではなくなりました。」とお母さんがおっしゃっていました。

いまや子供もストレス社会です。子供にも泣くにはそれなりの泣く理由があるのでしょう。『六君子湯』は単なる胃薬ではないことは以前にも紹介しました。「気剤」(気の巡りを正す生薬)がしっかり配合されています。

漢方薬は、まずくて?子供にはどうも飲ませにくいし、私自身もあまり無理矢理飲ませることはしないのですが、Jちゃんはちゃんと飲んでくれています。小学生でも自分にとって必要な薬と認めると不思議に飲めるもので、効く薬は飲むのを嫌がらない傾向は確かにあるようですね。野生動物がふだん食べないような苦い植物を自ら積極的に食して体内の解毒をするという話もまさしく同じでしょうね。