不育症

不育症について

不育症とは、妊娠はするものの、流産・早産を繰り返したり、死産となったりすることにより元気な赤ちゃんを得ることが出来ない状態を指します。

流産とは妊娠 22週未満で妊娠が終わることをいいます。通常、化学流産(妊娠反応は陽性になるものの、超音波検査を含めたその他の検査では妊娠が確認できないまま、次の月経が発来する状態をいいます。)は不育症の流産回数には含めません。

自然流産は、一般的に全妊娠の約15~20%に起こり、そのうち約60~70%以上は胎児自身の問題(胎児の染色体異常)といわれています。したがって流産の多くは病的ではなく、とめることのできないものといえるかもしれません。 連続2回流産する確率は4%で、2回までであれば偶然が重なっただけとして取り扱い、反復流産といいます。また、3回連続する確率は0.8%で、3回以上は偶然だけでは説明できず、何らかの原因があるものと考えられています。これを習慣流産といい精密検査を行う場合があります。

習慣流産の原因

1. 染色体異常(発生頻度 3~5%)

ヒトの染色体は46本からなっていますが、約3~5%の頻度で夫婦のいずれかに何らかの染色体異常を認める場合を言います。

2. 子宮異常(発生頻度 10~15%)

先天性の子宮奇形(双角単頸子宮、中隔子宮、単角子宮など)や、子宮筋腫、子宮腔癒着症など、子宮の内側の形に異常がある場合、胎児の発育が妨げられる可能性があります。

3. 内分泌・代謝異常(発生頻度 5~15%)

黄体機能不全、高プロラクチン血症、甲状腺機能異常、糖尿病などは、習慣流産と関連があると考えられています。

4. 抗リン脂質抗体症候群(発生頻度 10~20%),凝固因子異常(発生頻度 25~30%)

抗リン脂質抗体症候群など、自己免疫疾患(自分自身を攻撃する抗体をつくってしまう病気)により、血栓症をおこします。その1つに習慣流産があります。また、血液の凝固因子の一つであるXII因子活性が50%以上を正常とすると、約28%の患者さんに低下が見られ、習慣流産との関係があると考えられています。

5. 原因不明(発生頻度 30%)

残念ながら流産を繰り返すご夫婦に対して原因検索を行っても、約30%は流産の原因がはっきりとわからない場合があります。

不育症検査

  • 内分泌検査
    • ホルモン検査: FSH
    • 甲状腺検査 :FreeT3、FreeT4、TSH
  • 各種抗体検査
    • RA、抗核抗体、抗DNA抗体、抗CLβ2GPI複合体抗体ループスアンチコアグラント

各原因別の治療法について

原因 治療
染色体異常 遺伝子カウンセリング
子宮異常
  • 子宮奇形
  • 子宮筋腫
  • 頸管無力症
子宮形成術
筋腫核出術
頸管縫縮術
内分泌代謝異常
  • 黄体機能不全
  • 甲状腺機能異常・糖尿病
排卵障害治療
内科的治療
抗リン脂質抗体症候群
抗凝固因子異常
抗凝固療法
原因不明 (抗凝固療法)

抗凝固療法

柴苓湯(サイレイトウ)
漢方薬は体の調子を整え、妊娠をよい状態に保ちます。柴苓湯にはステロイド様の免疫調整作用のほか血小板凝集能抑制作用があり、抗リン脂質抗体価が高い不育症に対して使用します。柴苓湯は、ステロイド薬のような強い作用がないため、副作用はほとんどありません。
抗血小板薬(アスピリン) ※バイアスピリン、バファリン81mg
血小板の働きを抑え、血管内で血液が固まるのを防ぎます。この作用により、胎盤に血栓ができるのを防ぎ、胎盤循環をよくする効果が期待できます。実際には、1日1錠を妊娠初期から(できれば排卵日からがよい)妊娠9ヶ月末まで処方しますが、赤ちゃんへの影響は問題ないとされています。
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