夏カゼで喉を痛めた方も多いと思いますが、これからの季節では急な気温の変化に伴う上気道炎にも悩まされるケースがでてくるでしょう。一般的には抗生剤・消炎鎮痛剤・うがい液など処方されることがほとんどですが、こんな場合でも漢方薬を併用すると、治りが早かったり、劇的に改善される方もいらっしゃいます。

急性咽頭炎・扁桃炎の際に、喉が焼けつくように痛んで、水を飲むのもつらい場合には『小紫胡湯加桔梗石膏(ショウサイコトウカキキョウセッコウ)』がお奨めです。

まず、本剤を服用してもらい、その後食後に抗生剤・消炎鎮痛剤などを服用していただきます。この手法は自分自身にも使っていますし、患者さんにも痛みを即座に和らげてくれるので大変喜ばれています。

本剤は『小紫胡湯(ショウサイコトウ)』という「紫胡」が含まれている漢方薬がベースになって いるので、特に、肋骨の下部や脇腹が痛かったり、重苦しい場合にはより有効です。痛みが軽い場合には『桔梗湯(キキョウトウ)』で十分効果があります。私自身もちょっと喉がイガイガする場合であれば、『桔梗湯』を口に含んだり、水に溶かしてうがいをするようにして含んだりしています。ただし『桔梗湯』の場合は、胃腸を荒らすことがあるので胃腸障害がある方には不向きですが、『小紫胡湯加桔梗石膏』は胃腸障害を伴っていても大丈夫です。また、副鼻腔炎や中耳炎の際の炎症の強い場合にも効果が期待できますし、急性ではなく慢性扁桃炎で抗生剤をかなりの間服用しても再発する場合にも有効です。

『小紫胡湯加桔梗石膏』に含まれている「石膏」(天然の硫酸カルシウム)には「冷やす」作用の他に、水を取って炎症性のむくみを取る作用があります。この作用が喉の腫れがひどい場合なそに有効なのでしょう。私の知る漢方薬の名人と称される先生は「石膏」を上手に他の漢方薬に加えて炎症(熱)の強いアトピー性皮膚炎などもうまく治しています。