漢方診療では舌を診たり(望診)、脈やお腹を触ったり(切診)、患者さんの声のはりや大きさを聞く(聞診)以外に西洋医学と 同様に患者さんに直接問う(問診)という診察過程がありますが、特徴は「医師が積極的に聞かないと手がかりが出てこない病態(証)」 を見つけるために症状と一見関係ないように思われる点を聞くことです。今回は問診についていくつかのポイントをお話します。

①「疲れやすいですか?」→基本的には「気・脾(消化機能)」の異常です。
②「身体が冷えますか?」→「靴下をはいて寝たいですか?」「入浴後すぐに冷えますか?」→「下半身(膝だけ腰だけかどうか)ですか? 上半身(腕だけ背中だけかどうか)ですか?全身(ザワザワする、お腹も冷えるかどうか)ですか?」
③「普段、水分を多く取りますか?」「寝汗をかきますか?」「布団から足を出して寝ますか?(足のほてりがあるか)」
④「目の疲れを感じますか?」「目がピクピクすることがありますか?」→「イライラしますか?」
⑤「眠りは浅いですか?」→「夢を覚えていますか?」「悪い夢を見ますか?」「疲れやすいですか?」「青あざができやすいですか?」
⑥「睡眠薬を飲んでも寝つけないですか?」
⑦「おしっこが近いですか?」→「夜間のみですか?」
⑧「便秘がありますか?」→「便を出し切った感じはありますか?」「便の硬さはどうですか?」「ウサギのようなコロコロとした便ですか?」
⑨「むくみやすいですか?」→「手足、顔などのどこがむくみますか?」「むくみやすい時期はありますか?」…
など一部をご紹介しました。

例えば、生理痛で漢方薬を希望された方には、特に①②⑧⑨は重要です。便秘を主訴にしていない場合にも問診しますので、 「なんでこんなことまで聞くのかな?」と思う患者さんもいらっしゃると思います。こういった問診で、いつもお話ししている 「気・血・水」の異常や「虚・実」(何かが身体で不足している・余っている)の判定材料が得られるわけです。漢方薬に慣れて いる患者さんは、自らこれらをお話してくれる傾向がありますのでその分だけ問診は簡便になりますね。漢方薬をご希望の方は この問診ポイントを少し参考にされるとよいでしょう。