年末・年始と休みが続くと、休んでいるはずなのにかえって疲労が蓄積?する感じが することもありますね。

「疲れ」とは漢方薬では「気の不足」と捉えます。元気、やる気、病は気から、などと言われますが、 漢方でいう「気」とは生命エネルギーのようなものと考えればばよいでしょう。その「気」を生み だすのは、いわずと知れた食事です。食事をきちんと摂っても胃腸の機能に問題があれば消化がうまく いきませんから、胃腸(漢方では『脾(ヒ)』といいます)も整える必要があります。そうした働きを もつ最も基本骨格となる漢方薬は『四君子湯(シシンシトウ)』です。ただし、これだけでは不十分な ケースも多いため、少し工夫を付け加えたような漢方薬をよく用います。その代表例がこのコラムでも 幾度となく紹介した『補中益気湯(ホチュウエッキトウ)』です。特に小さいお子さんや虚弱が著しい 方には『四君子湯』に入っている「人参(ニンジン)」が飲めないこともありますので、そういう方には 『小建中湯(ショウケンチュウトウ)』を使うこともあります。

「すぐ眠くなる」というのも、漢方では「気の不足」と捉えて、『補中益気湯』がよく用いられます。 「食後に眠くなる」というのは、食後に『脾』が消化で忙しく、消化に「気」が消費されるために、全身 への「気」の供給の一時低下から起こるという考え方です。これも『四君子湯』が基本となる漢方薬が 適応になります。

「だるさ」というのは、「気」が四肢へ充分に供給されていないことにより、手足の働きが緩慢になることからくる場合が多く、中には「水」が四肢に溜まったり(むくみ)、あるいは体全体が冷えて不活発になっているために起こることもあります。

前者は、『補中益気湯』でよいのですが、この薬にはむくみを取る作用がほとんど備えていませんので、後者の場合には『真武湯(シンブトウ)』などのむくみを取って温める漢方薬がよいでしょう。

十分に睡眠をとっているにもかかわらず、朝起きられない場合には、「気の不足」というより、「気の巡り がよくない」という場合があります。現代医学的には「抑うつ傾向」などもうかがわれます。こういう場合 には『補中益気湯』以外に『紫胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)』などもよく用いれます。

このように「疲れやすい」という症状には漢方ではいろいろな捉え方がありますので、お悩みの方は 一度お試しになってもよろしいかと思います。