今回は透析中の方の不快な症状に関してのお話です。知り合いの透析の方で「足がつってつらい」という相談を受けたことがあります。 結構、透析中に「足がつる」方はいるようですが、お勧めは『芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)』を予防的に飲んでもらう方法です。 あまり飲み続けると効きが悪くなるので、透析前に一日一回一包に限るのがよいでしょう。ただし、実際に症状が出現した場合は適宜頓服してもよろしいです。

また、透析している方は皮膚がカサカサして痒みを訴えることがしばしばあります。皮膚が乾燥して分泌物が少ない場合には『当帰飲子(トウキインシ)』をお試し下さい。特に高齢者に有効なことが多いのですが、見た目よりも掻痒感の訴えが強いことがポイントです。 さらに「のぼせ・不眠・不安・イライラ感」があり、皮膚に痒みと熱感を伴う場合には『温清飲(ウンセイイン)』を応用します。 これは熱感の訴えがポイントになります。

透析している方が足の裏に違和感を感じることがありますが、これは糖尿病などでも生じる末梢神経障害の一つと云われています。 よく「砂や砂利の上を歩いている感じがする」などと表現されます。この場合は『牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)』がよく使われますが、 効きが悪いときには『附子(ブシ)』を加えてみると有効なことがあります。

いきなり「透析」が必要なことを宣告されて、気が滅入ることも多いと思います。そのような場合には、『補中益気湯(ホチュウエッキトウ)』 を服用してみて下さい。闘病しようという気力が湧いてくると思います。

気力のある人の方が、病気に対して頑張れるということは多くの医師が経験しています。最近の研究では、脳のポジティブな思考が 実はいろいろな免疫系にも良好な影響を与えていることが分かってきました。ストレスの多い現代社会では「気力がない」人はたくさんいます。 このような現代社会だからこそ、『補中益気湯』の利用価値は大きいものであると思います。