しつこい副鼻腔炎|産婦人科コラム

しつこい副鼻腔炎

2008年12月09日
 

『5歳Mちゃん。女性と漢方のテーマですが、今回は男児です。
副鼻腔炎といわれて1年以上経つのですが、一進一退を繰り返し、病院通いと縁を切れないようです。
鼻汁は出にくく、鼻閉がひどく、いつも口を開けているとの事。かぜもひきやすく、いったんひいてしまうと、鼻汁が止まらず、大変らしいです。漢方薬を試したいと母親に連れられて来院。』

Mちゃんには『葛根湯加川辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)』を処方してみました。

この薬は有名な『葛根湯』をベースにしているので「麻黄(マオウ)」という薬効の強い生薬が含まれているのですが、なぜか子供は「麻黄」に強いのです。Mちゃんにも成人量に近い位に増やしても大丈夫でした。

また、子供は良くなる経過も早いので、大変分かりやすいものです。
一ヶ月後、鼻汁がよく出るようになり、鼻閉が取れてすっきりした様子との事でした。三ヶ月で、鼻の症状はかなり良くなりました。

おもしろいと感じたのは、以前は車酔いがひどいお子さんだったようですが、最近は車に乗っても酔わないというのです。

今、Mちゃんは7歳になっていますが、お母さん曰く「鼻の症状が取れてから、落ち着きがでてきた感じがします。学校の成績も良くなって、驚いています」。

その子の同級生の母親同士で、子供の成績の話題が出たところ、「頭の良くなる漢方薬」があるらしいとうわさ?になったらしいです(笑)。

Mちゃんはもともと頭の良いお子さんで、副鼻腔炎のため集中力が悪かったのでしょう。漢方薬の服用によって鼻の状態が改善するにつれ、頭の働きが良くなるのは不思議なことではないと思います。

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医療法人社団 公和会 中村記念愛成病院
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