陰性食品で痛みが悪化|産婦人科コラム

陰性食品で痛みが悪化

2013年03月11日
 

『75歳Nさん。変形性腰椎症、椎間板ヘルニアにて整形外科通院歴ある方で、腰痛に効く漢方薬を試したいとの事で来院。』

Nさんは、1年以上前に来院されている方で、実は『八味地黄丸(ハチミジオウガン)』と『苓姜朮甘湯(リョウキョウジュツカントウ)』を長年飲まれています。

今回の症例を紹介する理由は漢方薬自体からは少し離れた内容です。Nさんが「最近漢方薬が効かなくなった気がする。」というので、漢方薬を替えてみましたがあまり変化はみられず、生活習慣で変えた点はないか聞いてみました。すると、「健康にいいと云われて、2~3ℓの水を飲んでいます。果物も多く採るようにしています。」との事でした。

東洋医学では、治療しても十分な効果が得られない場合、食事や運動などの養生にも注目します。和漢食にはいくつかの基本がありますが、その中の一つに「陰性食品(食べると体を冷やす食品…冷たいもの・生もの・砂糖・酢など)を採りすぎない」という考え方があります。

Nさんは陰性食品である果物、清涼飲料水の過剰摂取にて疼痛が悪化した例でした。他に、秋になり、ぶどう・なし・りんご・柿・みかんの採りすぎで疼痛が悪化したり、喘息発作が再発した例もありました。

Nさんは、食生活の改善後は疼痛も良くなり、結局は以前と同じ漢方薬に戻して飲んでいます。最近は健康食品の酢を常用量の2倍服用して、「冷え」を訴える外来患者さんもいらっしゃいました。

和漢食では、基本的には「陰性食品は採りすぎない」の他に「菜食を中心」「揚げ物・油炒めは採りすぎない」「少食」が掲げられています。一般的には、食物の陰陽はあまり認識されていませんが、長期間の疼痛・冷え症などは意外と食生活が原因のこともありますので、一度ご自分の食生活を確認してみてもよろしいかもしれませんね。

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