アトピー性皮膚炎を漢方薬で治す(2)|産婦人科コラム

アトピー性皮膚炎を漢方薬で治す(2)

2007年10月03日
 

『32歳Tさん。幼少からのアトピー性皮膚炎で、さまざまな治療を重ねて症状は一進一退を繰り返しています。現在はリバウンドの急性期の症状である「全身が真っ赤でまぶたや湿疹部にむくみがあったり、汁がにじみ出してジクジクしている」わけではなく、少し落ち着いて、くすんだ赤みを伴ったカサカサの時期に入ってきているようです。漢方薬に興味?があり、試してみたいとの事で来院。』

Tさんのような「赤くてカサカサ」といった亜急性期の皮膚に対しては、基本薬としては『三物黄ごん湯(サンモツオウゴントウ)』を使うことが多いです。この薬には、「赤みをとる作用」「痒み止め作用」「体に潤いを与える作用」を持つ三種類の生薬を含んでいます。

しかし、Tさんは顔中心に赤くてカサカサしている状態でしたので、『辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)』を処方してみました。この薬は鼻炎や副鼻腔炎の薬としては有名な漢方薬ですが、実は鼻の通りを良くする働きのほかに、清熱作用と皮膚に栄養を与えて水分を補うという作用ももっているのです。さらには、これらの効果を上半身(とくに首から上)に運ぶ作用のある生薬が配合されているので、顔中心のカサカサに効果があるのです。

さらにこの方はむくみも出やすいタイプ(実はぽっちゃりしています)なので、『防己黄耆湯(ボウイオウギトウ)』も併用しました。これは大変有効でして、Tさんからは喜ばれました。皮膚症状の改善だけでなく、下肢のむくみも取れたようです。

アトピー性皮膚炎の場合は、「むくみ」にも注目して、基本になる薬にプラスしてあげることは漢方医学的にはとても重要なことなのです。

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