融解胚移植

融解胚移植について

融解胚移植方法

  1. 凍結保護剤の入った培養液の中に胚(受精卵)を入れ、急速に融解し徐々に凍結保護剤を薄め洗い流します。融解後数時間~数日培養し、最終的な状態を確認して子宮内に移植する方法です。
  2. 融解胚の生存確認をし、移植するまで培養します。
    • ①胚の体積(収縮と膨張)が変化していること。
    • ②細胞膜が壊れていない、色が褐色に変色していない。
    • ③胚盤胞の場合、回復培養後に胞胚腔(胚の中の隙間)が再形成されていること。
  3. 胚移植の時には麻酔は使用しません。外陰部・膣内の洗浄したあと、エコーで子宮内膜の状態を確認しながら移植用の細いカテーテルを子宮の入り口からゆっくりと挿入し子宮腔内へ進め、移植します。
  4. 胚(受精卵)を子宮腔内に戻したあと、カテーテルに残っていないか確認し終了となります。
  5. お部屋のベットで15分ほとお休みいただいたあと帰宅となります。

ホルモン補充周期胚移植とは

凍結胚を戻すときは、自然に排卵を起こして戻す自然周期と、排卵を起こさずに卵胞ホルモン(エストロゲン)を投与することで子宮内膜を整えながら行う、ホルモン補充周期(HRT)があります。 黄体ホルモン(プロゲステロン)が十分出ていて、月経周期が規則的な方は、自然周期でも移植可能です。 また、無排卵の方、移植日をあらかじめ決めたい方、自然周期では子宮内膜の状態が思わしくない方は、ホルモン補充周期を選択します。

胚(受精卵)融解の不利益と危険性について

凍結胚は凍結及び融解の際にまれにダメージを受けることがあるため、融解後の胚(受精卵)の生存率は90~95%と考えられています。注意深く凍結・融解を行っても、5%未満の確率で受精卵(細胞)の破壊が起こりえるため、融解した胚(受精卵)がすべて生き返り、良い状態で分割が進むとは限りません。そのため、融解した胚(受精卵)の状態によっては胚移植に使用できないため、移植はキャンセルとなり胚(受精卵)を廃棄する場合があります。

また、胚盤胞で凍結保存をされた場合は、原則として1個移植を行いますが、複数個の胚(受精卵)を移植した場合は、多胎妊娠になる可能性もあります。凍結融解後の胚(受精卵)にも、新鮮胚と同様のリスクが存在しますが、凍結・融解自体がこの方法で出生した児に特に影響を及ぼした報告はありません。しかし、この方法により出生した児の長期予後についてはまだ確定したものはなく、今後慎重にフォローしていく必要があると考えられています。

治療成績について

日本国内における新鮮胚移植・凍結融解胚移植の妊娠、生産率、流産

新鮮胚 凍結融解胚
移植あたりの妊娠率 21.4% 34.4%
移植あたりの生産率 15.0% 23.9%
妊娠あたりの流産率 25.2% 25.9%
※2017年の日本産科婦人科学会統計より

その他

赤ちゃんへの影響などまだ解っていないこともありますが、そのためにも我々は体外受精・胚移植の結果および妊娠成立後の 妊娠経過を日本産婦人科学会に報告する義務があります。そのため、他院で出産される場合、出産後1か月検診が 終了次第、妊娠~出産経過を当院へ連絡いただいております。なお、学会へ報告する内容に患者様の氏名など個人情報を特定できるようなものは含まれておりません。

また、これとは別に当院では治療成績を関連する学会や論文誌上に発表する事がありますが、学会報告同様、患者様の氏名など 個人情報を特定できるようなものは含まれておりません。個人情報保護に充分留意して行いますので、ご協力のほど よろしくお願いいたします。

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医療法人社団 公和会 中村記念愛成病院
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